さて、マブイが戻ってきてくれたので、ふたたび好奇心が出てきた。京都に行く前に写真展を見に行く。
銀座四丁目のど真ん中銀座プレイス6階で大野雅人「cub-jo カブジョ」https://www.sony.co.jp/united/imaging/gallery/detail/180907/
種子島の女子高生のポートレートなのだが、彼女達はホンダカブに乗って通学している。だからカブジョ。ソニーの4000万画素のカメラで撮られている。ひと抱えてほどのB0サイズの超大型プリントなのにまつげまで見える。ソックスの網目まで見えて驚いた。種子島の背景も含めて情報量が豊富な写真だ。場所が銀座の一等地なので外国人が多く見に来ていたがウケるだろうな。
銀座1丁目奥野ビルでは5階ギャラリーカメリアで今野聡「reminiscence」ソルトプリントという写真創世記の頃のプリント技術で作られた淡いイメージ。デジタルプリントでできそうで、できない。木炭で書いたような柔らかいエッジと極端におちた情報量で作られている。少ない情報量の面白さは想像の補間だ。
同じ奥野ビル3階と地下では中里和人「Night Earth」月の明かりだけで撮られたランドスケープ。どれもこれもすさまじい解像感なのだが地下に展示してある大岩の写真がすごい。
京都に入ってホテルにチェックインするとすぐに三十三間堂へ。居並ぶ千体の仏像を見る。杉本博司の千仏体は伊香保の原美術アネックスで42セットだったかのオリジナルプリントは見ていたが本物は初めて。
ずらっと並んだ様子は「リアルなグルスキー写真」といった感じ。並んでいる様子はAKBとも言える(笑)とにかく情報量がはんぱない。4時前に入って気がつけば5時の閉館の時間になっていた。
今一番興味があるのは解像度。情報量とも言っていい。ずっと長いことモノクロプリントでいかに情報量を上げるかということを考えてきた、デジタルも25万画素時代から使い始め100万画素、200万画素、600万画素、800万画素、1200万画素、2200万画素、4000万画素と使ってきた。20年で200倍近くの情報量を扱えるようになった。
それをさらにデジタル技術でつなぎ合わせてより情報量を上げようとしたのがグルスキーで、ネット上にある少ない情報量の写真を一度より少なくして、再度デジタル技術で補間して作品を作ったのがトーマス・ルフ。
他にも横田大輔を始め、最近の写真家は解像度を積極的に考えている人が多い。
一度自分の写真も情報量をこれまでのように上げるのではなく、どこまで下げれるのか考えてみようと思う。