夏休みの宿題を手伝う

朝 豆入りトマトリゾット

夜 玄米のワンプレート

 

学生が相談にやってきた。大学の夏休みの写真制作の宿題が「SDGs」なんだそうだ。なるほど今っぽい課題だ。確かにこれを外して表現行為は成立させずらい時代だ。でも写真にしようとすると「現在の問題点は⚪︎⚪︎です」というものしか上がってこない気がする。特に「こんなに環境が汚染されています」と提出されてくる写真がほとんどだろうなあ。

宿題の規定を聞いたら「20枚の写真を提出、展示も視野に入れる、組写真ということも考える」ということだった。

SDGsが「持続可能な努力目標」というこだから、今の問題を未来にどう結びつけるかが大事になるわけだが、上記の規定だとそこが盛り込みづらくなる。

いっそポスタープレゼンテーションのように、A1くらいの大きさに写真もテキストも入れ込むという形ならやりようがあるんだけど、「写真で語る」ことをベースにすると、話は格段に難しくなる。ストレートに対象物を撮るだけだと、先程書いたように現状の問題点の羅列になりがちだ。

 

「旅と電車」をずっと撮っている彼とSDGsに結びつく接点は無いかと探していると、現在見直しが進んでいる路面電車(トラム)が浮かび上がってきた。北陸ですでに新設のトラムが稼働していて、富山、金沢では観光だけではなく市民の足として見直されているようだ。

高齢者の事故が社会的な問題になっているが、その解決策にもなる。地下鉄よりも工事費がかからず、メンテナンスも楽。

僕はアムステルダムに何度か行っていて、その都度使っているが、周りの景色が見えることで降車する場所が分かりやすい。そのためひとつ前の駅で降りて散歩することも多い。すると思わぬお店を発見できたりする。

トラムは地方都市の在り方を変えてしまう力があるのではないか、それは「持続可能な努力目標」という未来思考と合致する。

作品化するための具体例としては、西野壮平や糸崎公郎をあげて「新しい地図」を作る方法例を見せた。

 

とにかくまず現地に行ってみる、次に都市計画を考える、最終的に新しい街を想像する。

あとは「足を使え、頭を使え、さっさとはじめろ」と毎度毎度同じことを言って2時間の面談終了。