雨が降ってる。もう出歩くのに帽子や手袋はいらなくなった。
そのかわり目がかゆい。
今月25日からのワークショップのグループ展のための準備が佳境にはいってきた。平日も暗室をあけたりして3月いっぱいはかかりきりになる。
2Bではこのご時世にもかかわらずフィルムで撮って印画紙にプリントする人が多い。
グループ展の準備ではないが、今日も2Bの暗室には海外の美術館で展示するためのカラープリント作りをしているのがいる。
「半切で展示しようと思って印画紙を買ってきました」普段は大四つ切りを使っているから本人は大きくしたつもりだろうが、「ためしに大全紙でも焼いてみれば、印画紙わけてあげるから」といって2Bで焼ける最大サイズの印画紙を勧めてみた。
半切と大全紙に焼いてみたものを比べると、断然大全紙のほうがよく見える。「ほらね(笑)大きいほうがいいでしょ」「本当だ!大きいほうがいい」
「じゃあ業者を紹介するから、予定していた額装はしないでプリントは表面か裏か、どちらかににアクリルを貼ってもらって、業者から直接美術館送ってもらったほうがいいよ。梱包と発送は思った以上に手間がかかるから。作品を展示終了後にどうするかだけど、送り返してもらわないで寄付という形を取るならコレクションとして扱ってもらえるのかどうか必ず確認を取ったほうがいい。できれば正式なレターをもらえればそれにこしたことはないね」
皆よりちょっとだけ先に経験していることが多いから、展示やそれにまつわることは必要な人に伝えている。そうするとそれが回り回ってまた自分のところへ情報としてかえってくることにやっていて気がついた。だから知っていることはすべてオープンにすることにした。
若い頃はこだわりが強くて自分のテクニックは誰にも漏らさず、アシスタントにさえ暗室で焼いているところを見せなかったくらいだ。秘密のテクニックなんて、そんなことは歳を重ねたらどうでもいいことになってきた。
今ではインターネットでいろいろな情報を得られるが、直接会って聞いたほうがいいこともたくさんある。
今日オランダからポートフォリオレビューのためバス教授が日本にやってきた。彼に聞きたいことはたくさんある。ヨーロッパではどんな風に写真を捉えているの?モノクロはどう?ギャラリーは?美術館は?
オランダにはまた行ってみたい。それが展示をしに行くのなら一番いい。