オリジンのすき焼き弁当

来週2月17日火曜日午前11時からから、22日日曜日午後5時までワークショップのグループ展が渋谷ルデコで始まる。今回は2階3階が終了展、6階が石垣匠の個展になる。

祝日の今日も最終チェックなどで終日2Bには人が出入りしていた。

プリントもそうだが毎回の難題がタイトル付けとキャプションにある。参加者はほとんどが展示の未経験者。写真に文章をつけることにまったく慣れていない。

僕はキャプションを製造者責任だと考えている。商品を購入すると裏には必ずその製品の使用手引き、原材料、消費期限、使用上の注意が記載されている。

購入する人はそれを無視して使ってもかまわないが、作った側には「どのように使用して欲しいか」を記載する義務がある。アートなものにおいてもそれは一緒なのではないか。

よく「アート作品は展示した瞬間に作者の手を離れ観客のものになる」というが、それは見る側に理論であって出し手が言うべきことではない。

作者は「こう作った。こういうものだ。こう見て欲しい」と説明する必要がある。

是非グループ展を見に来られたときにはキャプションも見てください。それによって写真の見え方も深くなるはずです。

6階で行われる石垣匠写真展「下野の蔵」は酒蔵を題材にしたモノクロ写真だ。一昨年ワークショップのグループ展をきっかけに撮り始め、その後も蔵を変えて制作を続けてきた。掛け値なしに美しいプリントだと言える。

今回展示の写真の一部が日本カメラ2月号グラビアに載っている。そしてそのキャプションが口絵ノートと呼ばれる作品紹介の半分以上の誌面をついやして紹介されている。初めての個展をやるものに対しては異例ともいうべき分量だ。

そこには作品へのきちんとした自己解説が書かれている。それを読むことで写真への興味はより大きくなる。

いい写真には必ずいいキャプションがついている。それは僕が今まで写真を見てきた経験に基づく事実なのだ。