帰国4日目なのにまだ朝が眠い。日中は普通だが一瞬突然のように眠気が出る。
ポジの切り出しを終え、編集部に納品。デジタルになってずっと納品はバイク便か宅配便に頼っていたがポジはやっぱり手で持っていきたい。
編集部の大型ライトテーブルで皆で確認作業をする。「おお、やっぱりポジはきれいだわ。製版ちゃんととれればいいなあ」と声が上がる。
その雑誌も今ではほとんどがデジタルになったそうだがあらためてポジの良さを確認したようだ。
デジタルとポジ、どこが違うかといえば黒レベルの再現。デジタルの方がシャドーの分解力が高いが、情報が多い分だけ引きしまった黒を出すのは難しい。
ポジはシャドー部のディティール再現は苦手だがきれいな黒が残る。645サイズのフィルムを使うと黒の中に薄いハイライトのラインで物の輪郭だけを描写してくれる。それが美しいと思わせるのだ。
納品が済んで一安心。発売は9月1日の「CREAトラベラー」。その頃はちょうど同じ雑誌の企画でギリシャに行っているはず。
ギャラリー冬青で北井一夫写真展「ドイツ表現派1920年代の旅」をやっている。
本人曰「発表当時酷評されて連載が途中で打ち切られたんだよ。今回初めて日の目を浴びるよ」。
今見ると、とってもモダンだ。30年前受け入れられなかったのもなんとなく分かる。北井節を期待していた人たちには肩すかしだったんだろうな。
当時のビンテージが展示してあって赤いピンがたくさんついていた。明日土曜日はトークショーなのだが残念ながら行けず。
写真集も同時発売されている。