昼食後もずっと美術館内で過ごすことができ、その間にフランスの写真家が移動式スタジオ内でポートレートを撮ってくれるフォトセッションがあった。
プリントアウトされた自作を使い写るのだが、僕は小道具としてシノゴのカメラを持ち込んだ。写っている写真はライカで撮ったものだが。
移動式のスタジオというのは大きな半透明のテントで、簡単ブツ撮りセットの超大型版だ。天井が高い場所でしか使えないだろうがんかなか良さそうだ。
撮った写真はその場ですぐにプロジェクターにかけられ大型スクリーンで見ることができる。写真は後日展示されるということだ。
夜は美術館内でカクテルパーティがあった。なんの合図もなしに6時から始まり、9時にに何の合図もなしに終わった。これがフランス流?
パーティの間、持って行ったリコーのGRDに21ミリワイドコンバージョンレンズをつけたものを首から下げていると皆興味津々寄ってくる。
口々にこれはいい、どこのだ、ちょっと貸して、レンズが付け替えられるのか、いくらだ、とどこへ行っても変わらないカメラ好きの話になる。しかGRDは驚くほど食いつきがいい。意外だったのは誰もGRDの存在をしらなかったことだ。日本での人気を考えると驚きでもある。
こうしてパーティは無事終わった。感じたのは、ただ写真を集めて展示するのではなく、ひとりひとり個別のブースを作って、きちんと紹介しようという作者への尊敬が見えることだ。ししてパーティの趣旨は場所を提供しますから、この場所でたくさんの人と出会ってくださいということだった。
展示された写真5点は美術館に収蔵される。契約では1点につき何がしかのお金で買い上げてくれるとある。
これてからパリに行くたびに、あの美術館に自分の作品があるのだと思えるのは、とても大きな喜びだ。