あけましておめでろうございます2007

久しぶりに米沢の友人と会った。彼は船乗りだ。

飲みながら彼は「最近どこへ行った?」と聞いてきた。モンゴルやミャンマーの話をすると「それならいい。『若くして旅をせざるものは老いて何を語るや』だ」と言った。

その言葉は孔子だったか孟子だったかショーペンハウエルだったかは忘れたが、高校時代の彼の口癖だった。僕はその言葉が大好きだった。

すっかり忘れていたはずの言葉が自分の中に帰ってきた。そしてなぜ僕が旅を続けるのかを思い出した。色んな経験を重ね、老いて何かを語れるような大人になりたいとあの頃思っていたのだ。

新聞社を辞め、フリーになった。それまでの報道写真から一転、雑誌や広告の仕事をし、写真展をやり写真集を作り、書籍を出し、ワークショップを開き、講演会や講評の依頼を受ける。写真に関する多くのことを経験してきた。

それもすべて旅だと思えば合点がいく。近頃は自分が進む道のあやふやさに戸惑いを覚えることが多かったが、全ては高校時代自分が望んでいたことなのだ。
 
友人と別れた後つぶやきながら家路についた。

「若くして旅をせざるものは老いて何を語るや」