ベランダバーベキュー。

先日までモンゴル展をやっていたギャラリーニエプスへ。鈴木信彦写真展「TOKYO SPIRITUAL」をやっている。渋谷でのストリートスナップだ。http://niepce-tokyo.com/index2.html

水差しにバラを一輪いれた男性が路上に立っている。ルーズソックスを履いていなければ年齢が分からないくらい大人びた少女が座り込んでこちらを見ている。周りを気にすることなく、雑踏の中抱き合うふたり。車高を落としたピンクのアメ車が走る。電車の中から、いかつい男がこちらを睨んでいる。

これらの写真を外国に住む人に見せたなら、東京はとんでもなく恐ろしいところに映ることだろう。無秩序で、暴力的で、退廃的で。

もはや東京ではストリートスナップは成立しないと思っていた。東京でカメラを他人に向けたなら殴られてもしょうがいない。まして夜の渋谷なら…

残念ながら作者はいなかったが、留守番の女性が「やっぱり大変ですよ。よく警察沙汰になったり、カメラを投げ捨てられたり。」と教えてくれた。

彼にとって、そこまでして撮る意義のあるものが渋谷にあるということだ。そしてそれがちゃんと写っていた。もっともっと量を見たかった。

是非まとまったものを写真集として見てみたい。が、肖像権をクリアするのはあまりにも難しそうな写真ばかりだ。表現の自由と、肖像権とを考えたら、表現の自由はないに等しい。