内野雅文遺作展

今年の元旦、京都の八坂神社で撮影中に、写真家内野雅文が亡くなった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080409-00000000-hsk_sj-l13

まだ34歳だったのではないだろうか。彼とは写真展を通じて知り合い、僕の写真展の時には冬青で北井一夫さんを交え長い間話込んだ。

彼が撮影中に亡くなったと聞いて、死とは正反対にいるような頑丈そうな身体を思い浮かべて驚いてしまった。

彼と親交があつかった四谷界隈のギャラリー「ルーニィ」「ニエプス」「トーテムポール」が中心となって遺作展が企画され、生前応募して決まっていた新宿ニコンサロンでの展示も同時に行われている。

彼は生来のストリートスナッパーだ。写真の醍醐味のひとつであるスナップ文字通り命をかけた。
http://www.uchinomasafumi.com/index.html

訃報に、最期の一瞬まで写真に関われた彼の人生ににちょっとだけ羨ましさを感じてしまった。

新宿ニコンサロンの「車窓」のシリーズを見て「ニエプス」へ。そこには移り住んで撮影を続けていた京都のスナップが展示してある。僕は彼の作品はカラーしか知らなかった。初めて見る彼のモノクロはとてもよかった。

ニエプスの中藤さんが「彼が生前作っていた写真集のダミーです」と言って「車窓」を見せてくれた。

これがやりたかったのか。ニコンの展示では分からなかった彼の思いが手作りの写真集から伝わってきた。亡くなったから言うわけではない。本当によかった。

そのときはじめて彼の無念を思った。彼は撮影の途中に亡くなっている。ということはこれからまだまだ発表したい作品があったに違いない。作家たるもの長生きしなければいけない。ちょっとでも彼の死をうらやんだ自分が恥ずかしくなった。

この写真展の4会場は歩ける距離にあります。スナップ写真が好きなら是非見にいってください。