水曜日、暗室にお客様。
ディズフォトギャラリーで一緒の女性カメラマンが、自宅に暗室を作るために僕の暗室見学に来る。お宅拝見のようなものだ。もらった引き伸ばし機を自宅にどう設置していいか悩んでいるようだった。分かったような、分からないようなアドバイスを贈る。
木曜日、天才Oが久しぶりにプリントにやってくる。ようやくバイテンを使い始める。レンズは何がいいか相談を受ける。安いもんでいいんじゃない、とアドバイス。バイテンくらいフィルムサイズが大きいと本当になんでもよく写る。
この歳になると若い人からよく相談を受ける。知っていることは全部教えてあげるようにしているが、人それぞれスタンダードが変わるから参考になっているような、なっていないような。でも、なんでもない一言が大事になることもあるからなるだけ話すようにしている。
Oはドイツ新興写真にはまっていて、グルスキーが好きだと言っていた。それならドイツで勉強するのが一番いい。本人もまんざらではなさそうだ。
捨て猫ボランティアの方のところへネコを見に行く。妻は、黒地にまだらの白が入った、びっくりするほどブサイクな雄ネコを気に入ってしまう。シッポは中途半端で模様は見事にまだら。ぜったい他に貰い手がいなさそうなネコだ。
でも元気がよくて人懐こいところがある。元気が一番ということで、このネコを我が家に引き取ることになった。土曜日にやってくる。田舎の、できの悪い鼻を垂らしたような腕白小僧、という印象だ。
名前は「風太郎」とすることにした。