結論が出た

朝=肉蕎麦/夜=胡瓜とオクラの出汁和え、とり唐と蓮根とセロリの炒め物、鰹と三つ葉のオイル焼き、玄米、味噌汁

急に打ち合わせがなくなって予定がすっぽり空いた。最近では珍しい。昨年は映画を観る習慣というのをつけて毎週映画館に行っていたのだが、コロナやら何やらで今年は全くと言っていいほど行けてなかった。そこで新宿バルト9のサイトを見て何かやってないか調べてみた。引っかかったのが「四畳半タイムマシンブルース」。配信で何となく見ていたアニメなのだが、映画になったようだ。積極的というより消去法で選んだのだが、面白かった。伏線回収ものだから後半とか夢中で見ていた。僕も学生時代は四畳半に住んでいたことがある。冬よりも夏がどうしようもなかった。エアコンなんてないから夜は眠れないくらいに暑い。鍵もかけたことなかったので、帰ると友人が大事な備蓄食料を食べていて喧嘩になったことも。タイムマシンがあったら戻ってみたい。

バルト9を出て新宿に歩くとApplesストアがある。実は昨日の日記のFX30かα7Ⅳかという問題は、アウフヘーベンしてiPhone14ProMaxではないかと思い始めた。2週間前にAppleストアに行った時はものがなかったが、さすがにもう在庫してるだろうということで店員に聞いてみたら「Proシリーズは全製品、全て在庫がなく、次回入荷も全くわかりません」と。14は売れてないんじゃないのか? どうやらどこにもないらしい。メールを見るとソニーストアからFX 30の発売開始のお知らせが来ていた。あれやこれやクーポンがついてプロサービス価格だと税込23万円くらいだった。APS-C用のレンズ15mmF1.4と組み合わせても 30万円ちょっと。これってレンズ込みでもα7Ⅳのボディとそんなに変わらない。これは多分バカ売れするはず。なので買ってみることにした。10日後に届くみたいだ。

 

<2021年10月5日の日記から>

本づくり。最近写真集を作る手伝いをしていて今日も打ち合わせだった。いろいろな写真集を広げながら、作りたい本のイメージに近いものを探していく。その中でも熊谷聖司の「眼の歓びの為に 」がサイズ、装丁、内容ともに素晴らしい。この写真集、なんと作家名が入っていない。

「眼の歓びの為に 指の悦びの為に この大いなる歓喜の為に わたしは尽す」

たくさん写真集を作ってきたものだけが言える言葉だな。僕はいつも「役に立たない写真集がいい」」という言い方をしてきたけれど、つまり「眼の喜びの為」のものということ。L版にプリントされた写真をテーブルに並べて行く。この作業はいつやっても面白い。並び方と組合せでどんどん世界が変わってくる。そして流れができてきたところでそれを壊す。そしてまた作り直す。目指すはどのページから見ても大丈夫なもの。作業を続けて行くうちに自分の本も作りたくなってくる。来年2月の松本の本を作ったら、次は「自分の本を作る」と、宣言しておく。

<2016年10月5日の日記から>

「demain」入稿完了。写真集デザイン打ち合わせと、印刷入稿作業。1時半に冬青に行って高橋社長と、2時からはデザイナーを交えて打ち合わせ開始。初めてのデザイナーの方で、ご挨拶もそこそこにダミーブックを見せてイメージを伝える。とはいえ、そのままでは商業的に成立することは考えられないので、どうやって現実に落とし込むか話し合う。冬青の本は全国書店流通が大前提。すると色々な制約が生まれてくる。基本的に冬青の本はハードカバー。本体をカバーで包む方式だ。これは書店と出版倉庫を何往復もするので、表面が汚れたらカバーだけ付け替えるようにするためだ。だからクロス装丁のようなデザイン性の高いものはNG。流通時に汚れたり角が折れたら廃棄になってしまうからだ。書店流通には本の裏面にISBNというバーコードも必要で、これもデザイン性を大きく損ねる原因になる。しかし今回は前作と違って本のデザイン性がとても重要になる。デザインを優先すると流通はできない。手売りになる。流通を取るか、デザインを取るか。「300部だけ特装版はできないだろうか。300冊なら多少高くても手売りで売れるはず」高橋社長は渋い顔をしたまま一言「コスト的に無理です」。もっともな話だ。300冊だけ特装版を作ろうとするとコストは単純に倍になるのだから。しかしそこで引き下がるわけにもいかない。デザインの必要性、これまでの実績からの販売の見通し、そして最後はプレゼンというより情に訴える。「いいでしょう、わかりました。特装版の見積もりはとってみます。これで冬青が潰れたら渡部さんのせいですからね」。思わず最敬礼。特装版で一番大事なのは表面の材質。クロスや合皮の見本帳からダミーブックのイメージに合うものを探す。しかし中々見つからない。見本帳を見ているうちに閃いた。そのアイディアを話すと、そこにいた全員が呆れ顔。デザイナーさんは「そんな、、、いいんですか」。印刷所の方々は「できないことはないですが聞いたことがない」。皆でいろいろなアイディアは出たが、結局その方法を試してみることになった。果たしてどうなるのか。そのあとは、印刷入稿のための会議になったのだが、これまた今までとは違う方法を取るため印刷に3日かけることになった。写真の量自体は46枚だから通常より少ないくらいだ。でも印刷所泣かせのことを行う。印刷ディレクターの方は「できるかどうか現場に確認取らないと」と不安顔。4時間かけて打ち合わせが終了。入稿作業が終わったら一安心と思っていたが、反対に心配ごとが増えた。出来上がりがまったく予想できない。こんなの初めてだ。うまくいくのかどうか、現時点でさっぱりわからない。イメージは伝えた。後はデザイン、印刷のプロ集団におまかせするしかない。