100万円の使い方 

朝 ライ麦パンのホットサンド、野菜スープ

夜 鹿ミンチと豆のカレー、温野菜サラダ、その他諸々

「100万円の予算でカメラを買いたいのだけど」という思わず顔がほころぶ相談があった。もちろん自分のものになるわけではないが、話しているだけで物欲が満たされる気持ちになる。彼は写真で仕事をしていて、現在はSONYユーザー。しかし手持ち機材が少々古くなってきて、買い替えをしたい。実は中版センサーの富士フィルムGFX100Sをサービスセンターで見てきたという。しかしGFX100Sは1億画素。データ量がすごいことになる。5000万画素は必要だと思うが、1億画素までいるのかということで悩んでいた。

その他の案としてはα7ⅣとMac Studioを買うのはどうだろうとか、いろいろ出てくるが、どれも彼の仕事内容を満たすには決定打にかける。そもそも100万円って大金だけど、いざ機材に使おうと思うと意外と大したものは買えない。

僕が出した100万円の有効な使い方として、SONYのレンズ資産を活かすためにフラッグシップ機「α1」と50mmF1,2GMレンズを買うことを提案してみた。ボディとレンズでちょうど100万円だ。僕が彼にその提案をすると、実はフジの中版と言いながらα1も視野に入っていたらしい。ということで3時間の話し合いの結果α1に決定。まあ実際買うかどうかはわからないけどね。

その後は雑誌『写真』(ふげん社)の編集長村上さんと、編集ディレクターで評論家の打林さんにきてもらって収録。元日本カメラ編集者村上さんとは何度も一緒に仕事をしてきた。老舗写真雑誌終焉から、どのような経緯で新雑誌を作ることになったのかを聞いてみた。

 

<2009年3月25日の日記から>

昨日今日とせっせとプリント。大四つ切りに伸ばしたら、フィルム現像の巻き込み時についたと思しきスクラッチが、いくつかのネガについていた。
焼きこんでごまこうそうとも考えたが、「そのカットは縁がなかった」とあきらめることにする。
マサチューセッツのグリフィンフォトミュージアのコレクションに納品するためのプリントも一緒に焼く。こちらは以前のネガで焼きなれているので、さほど苦労しなくてもこれまでの設定で問題無し。ネガに傷はつくわコントラストは定まらないわ、自家現像は慣れるまで大変。昨日はギャラリーコスモスで始まった「局紙」を使ったグループ展のパーティに行くつもりだったのに、気がついたら7時をとっくに回っていて断念。局紙にバリエーションができたので、そのプロモーションイベントのようだ。知っている顔も多いのでパーティで出展者に直接使い勝手を聞いてみたかったのだが。局紙は気に入っているインクジェットペーパーのひとつだ。昨年パリフォトに作品を局紙にプリントして持っていったら、そのテクスチャーがうけた。ファインアート用のインクジェットペーパーというとマット系が多く、ハイライトの冴えがないのだが、局紙はガラス繊維のおかげで美しいハイライトが出せる。だからモノクロプリント用に使うと面白い。局紙の新しいメタル用紙は、先月雑誌『エクスクァイア』のデジタル写真大賞を受賞した保坂昇寿の写真展で見た。まるでモニターのバックライトの透過光で見たような印象を受ける。彼のアニメの背景のような近未来的風景の写真にあっていた。印画紙と違い、インクジェットペーパーはどんどん新製品が出てくる。ちなみに今プリントしている印画紙は2年前に倒産したアグファの印画紙だ。残してあった在庫をチビチビと使っている日々だ。