17歳の地図

朝 セブンイレブンのおにぎり2個 

昼 煮込みうどん

夜 金目鯛の煮付け、お土産のわさび漬け、ゴーヤとキュウリの即席漬、納豆、ご飯、卵の味噌汁

 

週末3日間、ある地方の撮影。まだ情報公開できないのだが、自治体の依頼で今年1年、4回に分けて撮影することになった。

当初は観光地を渡部の好きなように撮ってくれればいいというありがたい依頼だったのだが、それだと既存のコンテンツとさほど変わらない。ローライでネガカラーという案も出たが、そうじゃない気がする。

何度目かの打ち合わせで「渡部さんが撮りたいものはありますか?」と聞かれたとき、口から出てきたのが「17歳を撮りたい」だった。

 

僕は30歳のころに橋口譲二の写真集「17歳の地図」を見た。もしかしたら写真集というものを好きになったきっかけかもしれない。

橋口譲二が日本全国を回って17歳のポートレートを撮ったもので、ページには短い一問一答が載っている。「今朝なに食べた?」「今まで行ったことのある一番遠い場所は?」という具合だ。

 

その2021年版をやりたくなった。今は動画を撮れるから、彼らの生の声を残せる。担当者にこれは間違いなくやる価値があると提案した。撮影場所は観光地ではなく、彼らがもっとも好きな場所。

このご時世、見知らぬ人の、しかも17歳のポートレートを撮れる機会などあるものではない。

その分、担当者は大変だったはずだが、彼も「残す価値がある」と考えてくれた。自治体初の企画としては珍しいものだと思う。

 

今回は春の時期として、3日間で6名を撮影してきた。

ただ彼らを撮るだけではなくて、50問ほどの一問一答を動画に収める。

その後静止画を撮影するのだが、撮影後画像を確認していてあることに気がついた。

ひとり3シチュエーションで撮っていて、計ったように1箇所で24枚。これって12枚撮りの中版フィルムカメラで2ロール分。昔の癖がハッセルブラッドの中判デジタルカメラを使うことで蘇った。

今どきポートレートを24枚しか撮らないなんてありえない。もっとバリエーションを変えながら、1箇所で200枚とか撮るはず。

でも24枚で十分なのだ。

今回静止画で使ったカメラはハッセルブラッドx1D2レンズは標準レンズ1本だけ。オートフォーカスはもたつくから使わない。すべてマニュアルフォーカス。だから撮影枚数が少ない。

このx1D2は、一般的なポートレートカメラの性能はまったく満たしてないが、それでも使いたくなるのは、出来上がった画像が素晴らしいから。いろいろなカメラを使ってきたが、控えめに言っても最高。

特にシャドー部分の出方が美しくて、積極的に顔に影を作ることができる。iPadに落として確認すると撮りっぱなしのデータにも関わらず身震いがするほど。何度も何度も見てしまう。

 

3日間ずっと快晴。撮影させてもらった6人の17歳は、どれも素晴らしいものが撮れた。夏、秋、冬の撮影が待ち遠しい。

来年2月に印刷物を作り、インタビューは2BChannelでも公開予定だ。