居間は今、掃除機が支配しているのでベッドに避難している。買ったばかりの東芝トルネードの音が階下から聴こえてくる。
寝室はオイルヒーターがちょうど良い温度になっていて、窓からは陽が差し込んできて、なかなかいい具合だ。
友人に誘われて行った横浜美術館の石内都展は良かった。ザラッとした手触りというのが一貫しているのがわかる。皮膚感覚、触れているという身体行為。母の遺品の口紅が象徴的だ。断片でしか見ていなかったものが繋がった。傷のシリーズがあんなに美しいとは。
コレクション展も見られるというので何気なく入ったら本気度バリバリの展示だった。シュールレアリズムとその周辺。1920年くらいから40年までなのだが、美術の大転換点が起きた時代だ。
横浜美術館はかなりの量のマンレイを収蔵している。。印刷でしか見たことのないイメージばかりだ。シュールレアリズムの提唱者アンドレ・ブルトンのポートレートがいい。あのソラリゼーションの技法は今でも十分通用するんじゃないか。
今回は1500円の入場料以上のものを見ることができるはず。
石内都とシュールレアリズムを肴に友人と高円寺のベトナム料理。贈与と返礼から連句、白川静、アフォーダンスへと飲むのも忘れて話続ける。頭を使ったら急に腹が減ってきてフォーを注文。
彼と話すのはいつも頭のストレッチのようなもの。その日はぐっすり眠れた。
翌日はお寿司、明日は焼き鳥。いい具合の年末だ。