名古屋と言えば手羽先の風来坊からコメダのミニ白ノワールで〆る。

和具からは船が出ているので、それに乗って賢島に戻ろうと考えた。賢島から名古屋までは特急で2時間くらいだ。

朝8時半の船に乗る。途中の島に立ち寄ることがわかったので降りてみた。船頭さんは島には昔は人がたくさん住んでいたそうだが現在は老人しかいないと言っていた。

細長い島は端から端まで歩いても1時間弱。天気も良くて気持ちがよかったので上り下りを楽しみながら、途中で横道にそれながら歩いてみた。

港近くは家が密集しているのだが、戸板は全部打ち付けられていて人が住んでいる形跡はない。島をぐるっと回っても3人しか人と会わなかった。漁業はまだ盛んなのか船や海にせり出した生簀が多い。アジアの島で見たような木で組んだ桟橋が続いている。

とてもいい雰囲気を持った島だった。これといって何があるわけでもないが、気持ちがよくなる。僕は島によって合うところとそうでないところがある。よく「足の裏で分かる」などと言っているが、下船した時に足の裏が感じるのだ。

理屈好きで、理論的でないことが嫌で、感性とかという表現が大嫌いなのに、どういうわけか場所や家に対しては直観を重視するところがある。

以前引っ越しを考えて物件を見ていた時に、諸条件は全て揃っているのに「だめだ、この家は子供がグレる」と契約しなかったこともある。

そういう意味では2Bは寒いし暑いし古いのだが最高の場所だといまだに感じている。

島に3時間ほどいて、さて戻ろうかと思ったらまさかの乗り遅れ。次の船までは2時間もあるではないか。急ぐ旅でもないのでまた2時間島を歩いた。食堂や喫茶店なんてあるわけがない。雑貨屋さんすらしまっているのだから。

十分島を堪能して名古屋へ。本当はもう一泊する予定だったが財布が軽くなったので帰ることにした。

今回は5日間で20本のフィルムを使った。ちょっと少ないかな。

5日間よく歩いた。歩きながら階段や山道を上り下りしながら「体はまだ十分動くな。どこも痛くないな。疲れも残らないな」と体の各部を確認していた。

10年前ならそんなことわざわざ思わなかったのだろうに(笑) 

行けるうちに行っておこうといつも思う。