水温が24度になった。
モノクロフィルム現像堀内カラーに頼むようにまって25年がたつが、毎年春と秋の液温24度の時期は自分でやるようにしている。
手作業を忘れないようにするためだ。
今回はいつも使っているJOBOの大型リールじゃなくて、フィルム巻き取りが半自動の小型プラスチックリールを使ってみることにした。
小型リールは、明るいところだとスイスイ巻き取れるのだが、いざ全暗にして巻き取ろうとしたら思わぬ苦戦をしいられた。最初のスタート位置にうまくフィルムがかみ合わない。巻とれたと思ったら滑り抜けてしまう。
落ちつけ落ちつけと念じるも全身から汗が吹き出してくる。しまいにはフィルムを床に落とし真っ暗の中、床に這いつくばってフィルムを手探りで探すはめになった。
多分フィルムはホコリまみれなことだろう。
プラスチックリールはあきらめて、手探りで見つけた金属リールを使うことにした。これは学生時代にさんざんやったから体が覚えている。
とにかくボロボロになりながら、ようやく3本現像することができた。
いつも使っているものをむやみに変えるとエライ目に遭う。
東京都写真美術館の須田一政や、銀座アルマーニでやっている70年代の9人の写真家展もよかったが(渡辺克己が最高)、目黒でやっているグループ展「TOKYO8x10写真展」が面白かった。毎年の恒例今年で5回目だそうだ。
http://tokyo8x10.org/index.html
今年は昨年までの麻布から目黒美術館の市民ギャラリーに場所を変えて行われている。出展者はその名の通り8X10をはじめとする大型カメラを使っって写真を撮っている。
インプットは全員フィルムだが、アウトプットはゼラチンシルバー、プラチナ、サイアノ、ガムプリント、湿板、インクジェットと多種多様だ。中には擬似カラー写真まであって研究発表のようだ。
手法が珍しいだけじゃないのがこの展示の面白いところだ。プロのカメラマンやプリンターの田村さんなど経験豊富な人が多く参加している珍しいグループ展だ。
手法をこれだけ選べるというのは写真をやっているものにとっては幸せな時代なんだと思う。