湯豆腐を食べているうちに、いつのまにかキムチ鍋へ

やるべきことが一段落したので、かねてから気になっていた映画「ゼラチンシルバーLOVE」を見にいくことにした。

「都写美でやってますよ」ということだったのでとりあえず恵比寿へ。時間調整は「やなぎみわ」を見ればいいやと思っていた。

ところが肝心の映画は4月10日で終了していた。他の上映館を調べたが、東京ではすでに見れるところはなかった。ガックリ。後はDVDかあ。

気を取り直して「やなぎみわ・グランドマザー」を見る。スケールが違うねえ。テキストがストリーを作り出して見るものを誘う。

撮影テクニック、プリントフィニッシュ、テキスト、全てにおいて完璧。これは誰が見ても面白いわ。

会場で評論家の竹内万里子さんに会った。アメリカでの研究を終えて帰国したばかりだそうだ。なんだか以前と雰囲気が変わた気がする。相変わらず格好いいね。

3階展示の日本に写真が伝わってきた創世記の写真が面白かった。鶏卵紙にプリントされた明治天皇の写真(御真影)はすごい。美しい。これが写真が発明されて間もない頃のものとは思えない。

以前ワークショップの受講者が「曽祖父の写真なんです」とガラス湿板の写真を見せてくれた。手札サイズの写真は桐の箱に入っていて箱書きには「明治13年」とある。幕末に坂本竜馬が写真に写ってからわずかの年数だ。信州の庄屋の息子で東京の慶応大学に進学するときのものだと言う。当時、写真は相当高価だったことだろう。

それを裏付けるのが入れ物に書いてある「俗人見ルベカラズ」。相当貴重だったんだろうな。

ガラスネガの下に黒ラシャを引くと、ポジ像に見えるようになっている。これは日本で独自に発達した技法だそうだ。ヨーロッパでは銀板写真から鶏卵紙を使って複数のプリントが取れる紙ネが方式が主流になったようだ。

本来はガラスのままで見るものなのだが、ためしにワークショップ中にプリントしてみた。

六つ切りの印画紙にはきれいに像が浮かび上がった。