左下のカウンターが一回りしそう

ニューヨーク生まれのJohnさんが写真の話をしに事務所にやってきた。英語を勉強していることを知っている人が会社の同僚の写真好きを連れてきてくれたのだ。彼は日本語をほとんど理解していないらしい。

来る前はちょっと緊張したものの、写真を前にすれば言葉はもはや道具になる。聞きたいことは単語を並べても聞きたいし、言いたいことは身振りでも伝えたいと思う。そこは写真好き同士、どこで撮ったか、何時くらいの光か、カメラは、レンズは、三脚は、フィルムは、印画紙は… 話は尽きることはない。

彼の写真はシノゴのカメラを使ったランドスケープと、日本人のポートレートのシリーズで、特にバライタプリントの黒がギュッと締まっていて気持ちがいい。

僕のワイドエボニーに付いているスーパーアンギュロン65ミリを目ざとく見つけて「F8のほうだね。僕のやつはF5.6なんだよ。今シノゴは中国製のエボニーのコピーなんだけどいつかはエボニーが欲しいんだよね」

こんな話が続く。まったく普段と変わることのない時間を4時間も過ごすことができたのは驚いた。

相変わらず単語を並べるだけの英語だが写真が話題なら結構いけることが分かって嬉しい。英語は手段でいいということが実感できた。

彼はデジタルはニコンD3、プリントは日本ではレンタル暗室で焼いているそうだ。でもニューヨークには大型ストロボも含め全ての機材が揃っているという。

話は当然EOS5DMark2にも及んだ。僕は予約を入れたもののちょっと迷っている。「50Dでいんじゃないか?」

50Dを触ってみたらオートフォーカスの速さにびっくりした。まるで1DMark2クラスの速度だ。エンジンも新しくなっているし色もいいはず。

予算30万円と考えるなら50Dを買えば手ぶれ補正レンズと今一番気になるエプソンのストレージP7000が手に入る。かなり色再現の精度が高いらしい。出先のノートブックで「これでいいのか?」と悩む必要がなくなるのはありがたい。

EOS5DMark2の発売日が未定のせいもあり心は揺れる。