朝からおでんの仕込み。

旧ソ連出身の指揮者でありピアニストでもあるウラディーミル・アシュケナージ氏の撮影。何度聞いても名前が覚えられない。現在NHK交響楽団の音楽監督を務めている。

例によってホテルのスィートでの撮影なのだが、今回は部屋内に撮影に向いている場所がない。ベッドルームは使えないし、リビングは狭いしで場所探しに難儀した。結局白壁を使うことにする。「狭いねえ」と編集者に言ったら「7万5千円もしたんですよ」と言われてしまった。海外で7万5千円も出せばお屋敷が借りられそうだ。

場所選びに苦労したがアシュケナージ氏の顔の彫が深く、フォトジェニックだったので撮っていて手ごたえがあった。

翌日プリントしてみると白壁バックは正解だった。数枚のプリントでOKが出せた。少ない枚数で終わるときほど撮影がうまくいった証だ。

シチリアに住んでいる元アシスタントYがやってきた。明後日またイタリアへ帰るという。向こうで知り合いができ、カメラマンをやっている。サッカーを撮る仕事のためにEOS1-Dの中古を買っていくと言う。日本からの雑誌連載が決まったし、もう1年住めるようだ。3月のシチリアはいい季節だと言うから行く約束をする。

夜、林家こぶ平の舞台撮影で国立劇場小劇場へ。落語協会の人に挨拶をしたら「旅するカメラ」を読んでます」と言われて驚いた。仕事先で言われたのは始めてだ。

仕事なのに落語をたっぷり楽しんでしまった。気がつくと2時間半があっという間に過ぎていた。アシTは始めての落語だったようだが面白がっていた。

そういえば落語家の友人がいたのを思い出した。このところずっと会ってないけど元気かな。