写真集マジック

朝=全粒粉のトマトパスタ/夜=高円寺「フジ」の定食

銭湯に行ったので体重を測ってみたら60.1キロだった。20歳の頃と同じだからちょうどいいか。大学の先輩が、最近“写真”に目覚めてしまった。以前は「なんのカメラがいい?」という機材の話が多かったけど、徐々に写真自体に興味が湧いてきたみたいで、写真美術館や京都グラフィに足を運ぶようになった。そしてついに自身で「写真集を作ろうと思う」というレベルにまでなり、先輩が何度も何度も構成をやり直して作ったというダミーブックを持って来たので見せてもらった。見開きを意識したレイアウトで、さまざまな意図が隠されていそうだ。僕は、「それを一度バラしてみてもいいですか?」と聞いた上で、組まれていた80点の写真から25点を選び出してシャッフルしてみた。並び順に僕の意図は全く反映されていないその25枚の写真をクリップで閉じて先輩に見せると驚いていた。「すごい、写真集になっている。どうして???」

“もうこれ以上構成の余地はない”というものでも、編集者の手でガラリと変わった、というのはこれまで何度も経験しているし、むしろ作者の意図が邪魔をする場合だってあるということも、実感することが多かった。先輩は写真集の面白さにも目覚めてしまったようだ。これから他の人の写真集を見るのが数倍面白くなるはず。

 

<2021年9月27日の日記から>

2648日目の日記。日曜夜はオンライン美術史講座。マイクはSUREの「SM7B」だったけど問題ないようだ。一部どうしても音量が小さいという問題もあるけど、ちょうどいいということも多くて悩ましい。今回は「印象派」。写真の誕生と浮世絵の影響が大きい。1878年の第2回パリ万博以降「ジャポニスム」が大ブームになっている。さて、もう6ヶ月以上日記を毎日書いていて、8月からは同じ日付の過去日記を探して載せている。2002年の12月から始めているから20年近くの自分の行動が残されている。年間150本くらい書いているので、2日か3日に一度のペースになっている。過去日記を探すために毎日ざっと見ているのだが、よくも悪くも何も変わってない。この20年間カメラと写真のことばかり(笑)もっともこの日記はタイトルにあるように「写真生活」なので政治の話とかは一切載せていないけど。これはポリシーみたいなもの。今日の過去日記は2004年のもので、前年悪くして手術した目の診察に行った時のものだ。あの頃は、これからどうしようと思っていた。それまでやっていたような職業カメラマンでは生きていけない視力になってしまったから。今こうやって美術史を語っているなんて自分でも驚いてしまう。20年後もこの日記を書き続けていたら2021年をどう振り返るんだろう。

<2004年9月27日>

今日なにげなく日記の来場者数を見たら「1052」になっていた。今までの倍! なにがあったんだ。誰かのリンクだろうが、いったいどこからだ? 今日は小田原の佐伯眼科へ毎月の定期健診。6時に起きて朝一番で行ったのに診察は12時前だった。で、診てもらったのはジャスト1分。「問題なし」はありがたいが、待ち時間の割りにあまりにあっさりしすぎてないか? 永六輔が待合室で突然講演会を始めた。始めはテレビの音声かと思ったら本人だった。診察に来ていたところを院長に頼まれたらしい。「本日は晴天なり」というマイクテストはどうやって生まれたか、という話だった。やっぱりうまい。声の質といい抑揚といい聞かせる話術だった。佐伯眼科には全国からいろんな患者がやってくる。お正月には隣に「ピーコ」が座っていて驚いた。眼の瞳孔を薬で開いているので一日なにもできない。夕方やっと焦点が定まってきたので夜ごはんを作る。わざわざ徳島から写真展に来てくれた方が、僕のサイトのギャラリー内に載せている「PARIS」のプリントを購入してくれた。額装して発送する。写真をやっているものにとって、プリントを買っていただくのは活動を「全肯定」された気になるものだ。それともうひとり、自宅の新築祝いに1点購入してくれた方がいた。サイト内のギャラリーにある作品は40センチ×50センチ(新聞紙大)の大きさの額装だ。