元アシスタント会

朝=/燻製鯖のパスタ/夜=ポテトサラダ、玄米のドライカレー 

久しぶりにウクレレの集まりがあった。来年のルデコグループ展のときに演奏するための課題曲3曲が決まったので、やる気が出てきた。楽器は誰かと合わせると面白さが何倍にもなる。

週末に元アシスタント3人がやって来た。彼らは30年以上前に手伝ってもらっていて、当時は3人とも学生だった。授業の合間をやりくりしてローテーションのような形で撮影のアシスタントをしてもらっていたのだ。当時、彼らは20歳そこそこ、僕は30歳。一生を時計に例えるなら、針は午後1時くらいを指していたことになる。

大学を卒業した彼らは、それぞれ写真の道に進み、大きなスタジオを構えた者、広告や雑誌で仕事を続ける者、著作を出して大学の講師をしている者もいる。僕よりもずっと稼いでいる。でも、何十年経ってもボスとアシスタントの関係は変わらない(笑)。僕には誰かの元で働いた経験がない。やっておけばよかったなと今では思う。ボスとアシスタントの関係は、一時的に家族といるよりも長い時間を過ごす関係だから特別な存在。僕はアシスタント運がいい。なぜか、そのときに必要な人材が目の前に現れて「アシスタントにしてください」と言ってくる。これは本当に不思議。この歳になっても彼らに助けてもらっている感じ。

 

<2021年12月19日の日記から>

深夜にカップヌードル。「いい年して何やってんですか」と怒られそう。でも美味かった。そんな気分になったのは全13回の美術史講座の第4期が全て終わったから。開放感が半端ない。1月からは「写真史講座」が始まるが、ちょっとの間、講座配信はお休みになる。オンラインでの配信は慣れてきたが、やっぱり対面がやりたい。このままコロナが落ち着いたら来年早々始めたいと思っている。美術史講座を受けてもらっている方を対象に写真ワークショップを開けば、かなり面白いことができるんじゃないだろうかと期待してしまう。「GRオンラインイベント」は加納満さんがお相手だったので、90分があっという間だった。最後はかなり脱線したが、加納さんがいたから安心して話せる。普段ひとり配信だから掛け合いができるのは本当に楽しい。「オンラインイベント」ではあるが、担当者や他の出演者とも会えて「浮かれた」気分だった。視聴者プレゼントで、加納さんが最新作のプリントを額装でプレゼントするというので驚いた。だって、本気の銀塩プリント。これもらえたら最高のクリスマスプレゼントだよ。

<2012年12月19日の日記から>

妻が風邪でダウン。熱が出た。友人がブログで、『da.gasita』を送料や振込手数料無しで購入できますよと書いたら、なんと3日で10冊の注文があって、新たに10冊追加注文がきたので驚いた。写真集は値段が張るし馴染みがないから売れないというのが常識みたいになっている。しかし「da.gasita」は、通常1ヶ月もすると売れ行きがぱたっと止まるところを、ジワジワずっと売れ続けている。『旅するカメラ』を最初に出した時と同じだ。大きな宣伝をしているわけでもないのに売れているのは、買ってくれた人が口コミで広げてくれるからだ。本当は自ら自作を宣伝しビジネスとしてやっていかなければならないのだが。自己宣伝は日本人の苦手とするところで、もっと考えなくてはならない必須のものだと感じている。海外の写真家はどうやっているんだろう? どうやって発表し、どうやって生計をたてているんだろう。日本は日本、海外と比べてもしょうがないと言われるかもしれないが興味はある。アメリカのサンタフェに「CENTER」という大きな写真団体がある。そこで毎年フォトフォリオレビューが開かれるので申し込んでみようと思っている。「CENTER」と言えば、今年度の写真教育者に与えられるTeachingAwardにノミネートされたと以前書いたが、結果が出た。残念ながら「讃えらる候補者」どまり。賞金3000ドルはいただけなかった。それでも、下のほうに「Satoru Watanabe 2B Workshops 」とある。2Bもとうとう国際的だ(笑)。上位3人まではレビューご招待なのだが、これも選外。ここが主催しているReview Santa Feはレビューを受けるのに事前審査が必要で、それを通るのはたった100人のみ。世界中からアクセスがある中の100人だから、通ればそれだけでプロフィールに書けるくらいだ。昨年はPhotographerHalさんと保坂昇寿さんが行って大きな結果を残している。永田陽一さんも行ってブログに報告記事を書いてからサンタフェのことを日本でも知る人が多くなった。
http://yoichi-portfolioreview.blogspot.jp/2009/06/check-in-private-reception.html?m=1

前作『traverse』を出した時はアルルに行った。『da.gasita』はアメリカへ持って行きたい。気持ちはいつも「新しい写真集ができたよ。見て見て」だ。アメリカの人たちがどういう反応を示すのか。しかし審査の壁は厚い。締め切りは来年1月末だ。