Y.P.F用3種類のポスターをA1ノビで印刷中。その中の一枚は僕の鹿の写真。

屋久島国際写真祭がいよいよ始まった。これから徐々に展示が増えて24日の本オープンとなる。

安房港のまんてん橋にはすでに写真が設置されている。雨の多い土地柄ゆえ心配していたが、案の定展示と同時に土砂降り。事務局はかなり気をもんでいたが、なんとか大丈夫そうだ。ただ、一度濡れたプリントが乾いた時にどうなるか。

インクジェットプリントだから会期中にプリントのやり直しもあるだろう。

現在のフォトフェスティバルでは、屋内より屋外展示がメインとなる場合が多い。2007年にパリのフォトビエンナーレに参加した時「屋外展示だからデータを提出して」と言われてがっかりした覚えがある。

当時僕は「写真はオリジナルプリントが命」と考えていたのだ。

オープニングパーティに参加するため現地に行ってみると、エッフェル塔間近のセーヌ川の橋上にシェル(貝殻)形のブースが点在していて、そのひとつにアルミ板にプリントされた僕の写真が展示されていた。

昼はシェル型のおかげで直射ではなく間接光で写真が見れて、夜はシェルの中の明かりが柔らかく写真を照らす。太陽の向きも計算されての設置だった。深夜になると貝の口は閉じられ写真を保護してくれる。

雨が降るとアルミ板の表面の水滴が光ってとても美しかった。全天候型の展示だった。

車は通らない橋ゆえ、行き交う人はのんびりと写真を楽しむことができる。他にも背丈以上の大型展示のブースもあり、作品性に合わせての展示になっていた。

それ以来海外のフェスティバルの様子をみると屋外展示が主流なんだと気がついた。オリジナルプリントの展示というのは歴史的価値のある写真やプラチナプリントのような特殊なものといった印象。


外の展示はたくさんの人が写真と交わることができる。「写真との出会い」はアルルフェスティバルの標語だが、それはすべてのフォトフェスティバルに通じる。

屋久島国際写真祭では上田義彦氏の屋久島で撮って森の写真を、屋久島森の中に展示する。世界自然遺産の島のため、許可の関係上10月25日の1日だけだがこれは素晴らしいものになるだろう。写真を森に返す試みだ。

屋久島という土地柄を出した展示を続けていければ将来とても面白いフェスティバルになる。

その1回目が始まろうとしている。