昔々アシスタントだった鈴木麻弓が、あるプロジェクトのために来日した写真家のアテンドで岩手に行くというのでついていくことにした。
写真集の発送もまだ途中だが、事務作業に少々うんざりしていた。 新製品のデジタルカメラで何かを撮るという仕事もあったのでちょうどよかった。
Airistaのウルトラライトザックに下着とデジカメとローライを詰めて出発。遠足気分だ。
朝8時前に自宅を出て現地に着いたのが2時過ぎ。そこから写真家のチームに合流して仕事についていった。その世界では若手で注目株、世界で仕事をする人の仕事ぶりを見れるのは興味津々。残念ながら撮影は見られなかったが、そのこだわり具合を知れたのは面白かった。
結構無理難題を言っても不思議とそれが通る。自分の作品に絶対の自信があって、それを完成するためにはこれが必要なんだということがスタッフに伝わってくるのだ。だからしょうがないなといいながらも色んな人が助けてくれるのだ。
写真家というより映画監督に近い。プロジェクト型の写真家に必要な資質を見た思いがした。
鈴木は通訳兼現地コーディネートをやっていたのだが、英語とスペイン語と日本語を使い分けて仕事をしている姿を見て随分と仕事ができるようになったものだと驚いた。
僕の仕事を手伝っていたのは20歳そこそこの、まだ子供のようなものだったから。近頃の彼女の活躍は知っていたが、確かに仕事を頼みたくなる人の気持ちがわかる。一緒にやってみませんかと声をかけたくなるんだろうな。
一晩で彼らと別れてローカル線で遠野に行くことにした。雪がちらついてきて寒い。古民家を見たりあたりをぶらぶらしたり、デジカメでの撮影は進むがローライの出番はほとんどなし。
10年以上前に一度来たことがある。そのときは昔ながらの曲がり屋に泊まったのだが、今はもう泊まれないようだ。
駅近くの旅館に泊まる。一泊二食7000円。安い。部屋もきれいだったし、夕食もまあまあ。ご飯が終わると何もやることがないので、いつものように文章書いて飽きたら10時過ぎには寝て
しまう。
翌日は平泉へ。今読んでる本に出てくるので行ってみることにした。ここも以前来てるがそのときは歴史になんて興味がなかったのであんまりピンとこなかった。
平泉といえば金色堂だ。ガラス張りになっているのは残念。それと館内に流れるナレーションがうっとうしいぞ。
もう一泊しようと思っていたのだが天気も悪いし、ローライでの撮影もはかどらず、東京へ戻ることにした。
デジカメで撮ろうとすると、どうしてもローライでの撮影はできなくなる。あっちもこっちもというわけにはいかないもんだ。
2泊だけだったがちょっとすっきりした。今年最後の旅としてはちょうどいい感じだ。