手羽元のスパイス煮。メカブのスープ。

昔撮った写真を見ていたら、だんだん落ち込んできて2日くらい使いものにならなくなった。ため息ばっかりついているので「どうしたの?なんかあったの?」と聞かれるが、考えてみれば何もない。

毎日あまりにも暑いので出歩く気はきはしなかったのだが、森谷さんが新しく江ノ島にできたギャラリーで写真展をやっているというので電車で出かけた。

湘南新宿ラインで大船まで出て、そこからモノレールで片瀬江ノ島へ。出口を出たら目の前がギャラリーだった。

ギャラリーAAA
森谷 修 個展 
「バリの祈り」 
8月4日(日)〜8月22日(木)
http://aaacorporation.juno.bindsite.jp/shopping/

先月できたばかりの真新しいギャラリーだ。都内にはない雰囲気のいいギャラリーなのだが、都内じゃないから何かのついでじゃなくて、目がけて行かなければならない。

2時間近くかけてたどり着いたら、ギャラリーには森谷さんと先月冬青で写真展をやっていた亀山さん、公園写真館の平島さんがいて「たったいま、渡部さんの話をしてたところです」と驚いていた。こっちもびっくりだよ。

展示してあるのは2005年にローライ撮ったバリ島の写真。何枚かは雑誌や展示で見覚えがある。大四つ切りがメインだが、小全紙が数点あり、それがよかった。

今回の展示は撮影直後に焼かれたものだそうだ。同じ印画紙はもうないが、それに近い印画紙で新しく焼いたものを見せてもらったが、比べると以前焼いたもののほうがよく見えてしまう。

新しく焼いたもののほうがトーンが整っているし、それだけ見たらとても美しいプリントだということは間違いない。しかし両方を見せると古いプリントがいいと言う人が圧倒的に多いそうなのだ。

これは僕も経験があるが、最初にパッと焼いたものがどういうわけか一番良い。白は飛び、黒は潰れていようが、そんなことはさして重要じゃないと思わせるものが確かに存在する。

そんなことを話しているうちに2時間があっというまにたってしまった。途中、緊急地震速報が鳴り出しあわてたが何事もなくよかった。なにせ海のすぐそばにいたから。

帰りのモノレールから見える風景が楽しくて久しぶりに写真を撮った。大船からはラッシュで激混みだったので、一本見送ってグリーン車にした。缶ビールとコロッケを買い込んできて発車と同時にプシュ。

ビールを飲みながら、ギャラリーで買った森谷さんの写真集を眺める。

新宿に着く頃にはいい感じになっていた。