修学旅行のお土産は生きている毛蟹

写真展会場に行くと誰かしらカメラを提げている。それを見せてもらうのが好き。触らせてもらったら断りもなく、躊躇なくシャッターを押してしまう。もちろんフィルムが入っていてもだ(笑)

自分が持っている機種でも人のカメラだと別物に見える。特にライカはよく見える。大体の露出を決めファインダーをのぞき、ピントリングをグリグリと回しシャッターを切る。なんとも言えない恍惚感が僕を襲うのだ。

昨日行ったグループ展では机の上にニコンF2フォトミックが置いてあった。F2は、昔わだかまりがあった友人みたいな存在で、どこかお互い素直になれないところがある(向こうはどう思っているかしらないが)。

持ち上げてファインダーを覗くと周囲の隅までがくっきりと見える。持ち主にカメラを向けシャッターを切る。カシャンという音が静かなギャラリーに響く。

ギャラリーにやってきた人が持っていたのはハッセルSWC。僕が使っていたものよりずっと新しい903型だった。これも本人のあずかり知らぬところで勝手にシャッターを切ってみる。新しい機種だけにシャッターの落ちる感触が軽い。フィルムマガジンのポケットを見るとトライXが入っているようだった。

出展者を囲み話をしていると、隣に座っていた人のバックからベッサR2が出てきた。この形はRD-1の印象が強いので、ついつい背面のモニター部分を探してしまう。僕もR3AとR4Mを持っているがほとんど出番がない。久しぶりにベッサのシャッターを切ると意外といいなと再認識。

僕は普段あんまりカメラを持ち歩かない。写真を撮るときは撮ると決めて持ち歩く。そのときは、すべての意識は撮影に向かっている。たとえ日常的なものが写っていたとしても、かなり意識的に撮られていることになる。

でもカメラを触るのは好き。誰のものでもいい。むしろ誰かのもののほうがいい。僕の周りに無防備にカメラを置いておくと勝手に撮りますよ(笑)

昨日F2に会ったのはこのグループ展。青山1丁目の駅から外苑前の銀杏並木のほうへ。会場からは並木道がきれいに一望できます。出展者7人中6人がモノクロ。Mな人々の展示です。

『M's7 Photo Exhibition』
会期:2010年10月12日(火曜日)〜10月17日(日曜日)
   10:00〜19:00
   最終日は10:00〜17:00。
会場:ICHYS GALLERY
   東京都港区南青山2-11-14 イチーズビル3F