レントゲンはデジタルだった。

文化庁へ留学申請の書類を提出した後、まだ何も決まってはいないのに気分はすでにニューヨークに住む私になってしまった。

ニューヨークで暮らすことを考えたら急に体のことが心配になってきた。実は新聞社を辞めてからというもの体の精密検査を受けたことがない。自分の体がどういう状態になっているやら気にはなっているのだ面倒くさくて。

でもアメリカ行きを決意したのだから体もそれに合わせて準備しなくては。いざ留学が正式に決定した後で体の具合が悪くて行けなくなったら情けない。

そこで生まれて初めて人間ドッグを受けることにした。同じく出産以来精密検査を受けたことのない妻も一緒に。ネットで調べて家から近くて評判の良さそうな荻窪病院に決めた。

朝ごはんを抜いて朝7時半に病院へ。説明後、体重、身長、血圧採血、心電図、レントゲン、内臓の超音波、直腸検査(直接指を入れられてグリグリッ)、肺活量、眼底検査、そして最後に胃カメラ

胃カメラは散々脅かされていて、ちょっとびびっていた。いわく「人生最大の苦痛であり、ヨダレやら涙やら体液がダラダラでます」というものだった。でもそれはどうやら結構昔の話らしい。現在はカメラが小さいから大丈夫、じゃないかということだった。

実際は、胃の泡を抑える苦い水を飲んだ後、喉に麻酔薬のスプレー。歯医者で使うもので口の中がしびれてくる。診察台に横になると点滴で麻酔薬を注入される、すぐに意識はあるがボーっとしてくる。

口に咥えたマスクからカメラがスルスルと入ってくるのだが全然抵抗がない。多少胃の中で異物感を感じるが診察はあっというまに終了。カメラはやっぱりオリンパス製だった(笑)

休憩後医師の所見となる。個室に呼ばれて各数値の説明。結果はほぼ全ての項目で正常値だった。何か出るんじゃないかと覚悟していたから少々びっくり。心配していた肝臓も腎臓も大丈夫だった。

ただ多少脂肪肝気味。悪玉コレステロールは少ないが善玉コレステロールも少なめ。メタボ値は+0.1なので気をつけるように。胃が荒れている。良性のポリープがふたつ。

妻も同じようなものだったらしく、「夫婦でここまで似ているのも珍しいね」と言われたそうだ。食生活が一緒なせいだろうか。

これで1年間は大丈夫。来年アメリカに行く前にもう一度受けるつもりだ。