羊の煮込みと羊の水餃子

新宿都庁展望台で「東京観光写真倶楽部写真展ーわたしの東京」をやっていた。

写真とは、まさに光を観ること <観光> とあった。なるほどね。

そのままエプサイトに行ったらなんとメインのエプサイト1が閉館していた。ショック!ここは企画展をかなりの予算をかけて展示していてインクジェットの可能性を打ち出していただけに残念というしかない。エプサイト2は公募展として存続するようだが今後以前のような大型展示は見られなくなる。森山大道藤原新也アラーキーなどこれまでの多くの展示が記憶に残る。

新宿に今サロンではjuna21の受賞者村越としや「浮雲」をやっていた。以前写真集を買って気になっている作家だ。1980年生まれだからまだ20歳代。驚いたことに今回も写真展に合わせて同名の写真集を出している。これで3冊目となる写真集だ。写真家でも3冊の写真集を出している人はほとんどいない。

彼は来月から仲間4人で清澄白川でTAPという自主ギャラリーを立ち上げることになっている。今回の写真集に書店流通に必要なISBNコードはついていない。ということは手売りを覚悟しているということだ。自分のギャラリーで必要としてくれる人に手渡しで写真集を販売していくつもりだろう。

じみ〜な写真だが、ズンッとくるモノクロ写真だ。オリジナルも美しいが写真集がいい。

同時にニコンサロンでやっていた小野淳也「またした。」もよかった。このごろ多い自分の肉親を撮るというものだがカラープリントが美しい。彼の祖母はとても「いい家」に住んでいる。

そのまま東口に移動してコニカミノルタフォトプラザで中藤毅彦「サハリン」を見る。中藤さんの写真には一時期栄えて今は衰退したような場所が本当に良く似合う。穏やかな場所より、ちょっとヒリつくような場所。サハリンのシリーズは近頃の彼の作品の中で一番好きかもしれない。ロシアとも北海道とも違うサハリン。

会場で写真家斎藤亮一さんとすれ違った。今は日本を撮り始めているらしい。「モノクロプリントですか?」と訊ねたら「このごろはデジタルで撮ってます」ということだった。斎藤さんのプリントのファンとしてはちょっと寂しい。斎藤さんの写真のファンとしては新しいシリーズを早く見たい。両方の思いがわいてくる。