売りましょ買いましょ展始まる

昨日から「¥3000で写真売りましょ!買いましょ!展」が目黒のギャラリーコスモンスで始まった。

オープン1時間前から並んでいる人がいるくらいの盛況ぶりで、なんと1日で100枚を越す写真が販売された。

写真を出展した参加人数は120名を超えている。地方からの参加者も多い。プロと呼ばれている人も、趣味でやっている人も混在してる。

自分の作品を販売したと思っている人がここ数年でものすごい勢いで増えている。自分もその一人だ。5年前まで夢物語だったことが現実味を帯びてきている。

僕は2000年に最初の写真を出して、これから写真を売ろうと思ったときに、まず他人の買ってみようと考えた。ウィリアム・クライン森山大道田中長徳から始まって、今では30枚を超える。

ほとんどが5万円以下の自分で買える範囲のものだ。新人も中には含まれるが、基本的に作家として尊敬できる人のものを買っている。

買ってみて初めて売るということがどんなことか理解できたように思える。買うときの心理、コスト、付加価値。それは売ろうと思ったときに役に立つことばかりだ。

若い作家と飲むと「僕も写真を売ろうと思ってるんですよ」という話によくなる。そんなとき僕はちょっと意地悪をしてみたくなる。

「そうなんだ。どうして?依頼仕事のほうがよっぽど儲かるよ」
「でも作品を買ってもらえるっていいじゃないですか。自分の作品を飾ってもらったり」
「そうだよねえ。で、君のうちには誰の写真が飾ってあるの?」
「えっ、いや…」
「写真買ったことある?」
「ないです…」
「ツアイトって行ったことある?」
「ないです…」
「じゃあ、清澄白川の現代アートギャラリーは?」
「ないです…」
「どの辺のギャラリーによく行くの?」
ニコンとかコニカミノルタとか…」
「でもあそこじゃ写真売ってないよね」
「ああ…」
「ふ〜ん、写真飾ったことも、買ったこともないのに売りたいんだ。へ〜。じゃあ売るとき何の基準でギャラリーを決めて値段はどうつけるつもりなの?」

相当意地悪だな。