「白い恋人」をお土産にいただく

山下恒夫写真展「日々2」を見に四谷三丁目ルーニィへ行った。数年前コダックフォトサロンで見た「日々」の続編。

彼とは大学の同級生だがあの頃からプリントは「ものすごく」きれいだった。そして今も相変わらずきれいだ。35ミリで写るマックスを感じる。

ペンタックスMEとかニコンEMとか小さな一眼レフで撮っているという。カメラもレンズも安物で、使っている印画紙もニューシーガル。多分一番安いバライタ印画紙だ。

なのになんで?と聞きたくなる。山下曰く「モノクロはフィルム現像が肝だよ」最近始めた自分には耳が痛い。

夜はギャラリー冬青で井本礼子写真展トークショーお相手を務める。

今回は、海外特にヨーロッパでの活躍がめざましい彼女の日本での本格デビューになる。

井本さんの魅力を知ってもらうのが今回の目的だ。でも実際は自分が聞きたいことを、トークショーという場所を借りて井本さんに聞いたというところだ。

時系列を追って、これまでの作品をスライドショーで上映した。これが中々のもので、見ごたえ十分だった。

途中彼女がアナログ人間であることが、パソコン操作で図らずも露呈してしまう。パソコンソフトを止めるのに、いきなり右手はシャットダウンボタンを押していた。

僕は密かに「シャットダウン井本」と命名した。

彼女はひとつのフォトフェスティバルをきっかけに欧米数カ国から展覧会のオファーが舞い込み、今年だけでも後三ヵ所以上の展示が控えている。

今回のトークショーはお互い話がかみ合いまったくよどむことなく進めることができた。

冬青では毎月トークショーが行われているが、作家の声をダイレクトに聞くことができるとてもいい機会だと思う。写真家を知ることで、写真をもっと面白く見ることができるはず。