娘の中間テストが終わったので映画を見に行った。「ALWAYS続・三丁目の夕日」
前作も見ていたし、家族で見るのにはちょうどいい。舞台が昭和34年、僕が生まれる2年前の話になる。
よく作ったもんだというくらいの「昭和」のセットだ。日本橋からの眺めや羽田空港、特急「こだま」のシーンは唖然とする。
戦後10年がたち、経済が安定してきてお金はないけど将来はある、一瞬だけ訪れた希望の時代なんだろうな。そんな時に僕は生まれたのだ。
話は甘くて切ない。筋なんてコテコテで、こうなるんだろうな、と思ったとおりに話は進む。波乱もどんでんがえしもない。でもこの映画はそれでいいのだ。現状はどうであれ、未来があるというのはそれだけで生きていける。
人の皮膚からすべての細胞ができる、というニュースがあった。夜そのニュースを聞いて涙がこぼれた。もしかしたら網膜の細胞が再生できるかもしれない。
今の目の状態は、生きていくのに十分だ。写真も撮れる。仕事もできる。しかし不安は常にある。現状はいいが、未来が見えない不安。もしかしたらそれを案じなくてもいい明日が待っているかもしれない。それだけで生きていけそうな気がする。
でも冷静に考えれば色々な問題がでてくるだろう。死ねない時代がくるかもしれない。格差も生まれる。でも期待を持ちたいと思う人は多いはずだ。
今を受け入れて生きていかなければならないとすれば、人間はどんよく過ぎるのかもしれないとも思う。