夏のおでん。

九段下にある東京国立近代美術館で、「所蔵作品展 近代日本の美術」と題した収蔵品展をやっている。

その写真コーナーで、北井一夫さんの「村へ」のビンテージプリント26点が展示されている。ずっと見たいと思っていたが月曜日はお休みだし、午後5時でおしまいだし、なかなか行く機会がなかった。ようやく今日撮影の帰りに寄ることができた。

昨年開催された木村伊衛兵展の時に数点、別コーナーで北井さんの「村へ」が展示されていて、そのプリントの強さに驚いた覚えがある。

今回は26点と、一コーナーを使っての見ごたえのあるものだった。「村へ」は近年新たに北井さん自身が再プリントしたニューバージョンを一通り見せてもらったが、やっぱり当時プリントされたもののほうがいい。

近代美術館の常設展には、他の写真も多く展示されていた。その中で一番驚いたのがスティーグリッツが撮影したオキーフのヌードと、手が写ったものの本物が展示されていたことだ。

この2点は昨年の海外オークションで、それぞれ1億円以上で落札されている。キャプションボードには「オキーフ贈」とあった。どういう経緯で収蔵されたかは知らないが、まさか今回見れるとは。

特に手の写真がいい。人の肌の美しさを感じてしまう。

ついでだからと見た企画展「モダン・パラダイス」は見ごたえ十分の大満足。これまた写真の展示も多い。クーデルカのプリントが1点あった。初めてオリジナルを見た。

近代美術館おそるべし。見終わって出た頃にはグッタリとなった。昨日といい、今日といい、東京に住む喜びを感じてしまう。