ふたつの写真展とふたつのお茶碗

朝=シラスとタコの玄米フィットイーネ/夜=高円寺「フジ」のチキンソテー

ひさしぶりに銭湯に行って体重を測ったら60キロちょうどだった。山下恒夫写真展を「田園都市 GARDEN CITY」を見るために銀座ソニーギャラリーに。展示は10月20日(木)まで。彼は今年1年で2日回目の個展を開いている。しかも今回の「田園都市」は今年撮った新作。フジの5000万画素のカメラで撮るのにふさわしいシリーズだった。ホンマタカシ「東京郊外」や北島敬三の「UNTITLED RECORDS」に通じるものがあるけど、彼の写真はちょっと違うというか、明るさがある。ソニーのギャラリーは6階にる。4階と5階はショールームになっていて新製品を触ることができる。FX 30を買ったばかりだが、コンパクトなV log機「ZV-1F」が出たので触ってみる。今回のモデルは前機種の「ZV-1」の機能を削除してスリムにしたものになっている。ズームじゃなくて20ミリ相当の単焦点がついている。ジンバルに乗せるのにちょうど良さそうだ。

銀座から小伝馬町に出てルーニー247へ。小池貴之「浜さ」を見る。こちらは10月23日(日)まで。鶏卵紙プリントの作品。エイトバイテンやハッセルで撮ったものからデジタルネガを作ってプリントしている。金調色されていて深い色が出ている。偶然が作るトーンであり、予想外のものが生まれるのはやっていて楽しいだろうな。稲垣さん直伝の技だそうだ。「2B Channnel」ライブ用に写真集購入。隣でやっていた焼き物の展示が良くて、こぶりの茶碗をふたつ購入。

 

<2021年10月19日の日記から>

月曜日は映画の日のはずだが、雑用が多くて抜けられない。午後は「2BChannnel」の収録。毎週水曜日にライブをしているけど、今週はその時間にインタビューをしているので予め収録。前回は3回失敗して諦めたが、今回は失敗なし。内容はこの日記に書いてあることを話しているだけ(笑)。文字で書くか、言葉で話すかの違い。ようやく自粛も明けたのでこれからはインタビューをしやすくなる。ここまで書いて、一体自分は何の職業なんだと思ってしまった。すでに職業カメラマンとは呼べないし写真家というのは恥ずかしい、Youtuberでは食べていけない。初対面の人に何をやって生きているのかいるのか説明がつかない。目指すは仙人だな。

 <2004年10月19日へ>

ミュージカル音楽の大御所アンドリュー・ロイド・ウェバーの撮影。自身が製作総指揮の映画「オペラ座の怪人」のプロモーションでの来日だった。今日はプレスディになっていてマスコミが入れ替わりインタビューする。ホテルのスィートルームが用意されていた。我々の前の組は「アエラ」だった。坂田栄一郎が来ていたわけだ。ところがアンドリュー・ロイド・ウェバーの体調が悪いとかで、ほとんど撮影にならなかったらしい。聞けば途中で退席したという。撮影時間5分。関係者が手で×印を作りながら「今日は撮影はちょっと…」と言い出す。そんなこと言ったて撮らずに帰るわけにはいかない。2カットの予定を1カットに変更し時間を短くすることで折り合いをつけた。インタビュー前に撮影ということになり、彼に椅子に座ってもらう。ライトは立てず窓の自然光を使う。ペンタックス645Nに標準レンズをつけ一本だけ撮った。フィルムが回りきると「もういいだろう」と彼は席を立った。いらだっている。こちらもそのつもりでの撮影だったから「問題はない」と終わりにした。インタビューが始まり彼の映画の話に当然なる。が、その話になると機嫌が悪くなる。「もううんざりだ」という表情だ。まったくなんのためにわざわざ日本に来ているんだか。結局インタビューも途中で打ち切るように席を立っていった。帰り道現像所にフィルムを1本だけ預ける。なんともすっきりしない撮影だった。