日記って習慣だから一度書かなくなると続けるのが難しくなる。どうせ大したこと書いていないわけだし、それによって報酬が得られるわけでもないから。
日記を10年間も続けていられるのは「僕自身におきたことだけを書く」というスタンスにつきる。
「渡部さんって写真が撮れなくなったりすることありますか?」と聞かれた。
答えは一言「ないよ」。
とりあえずシャッター押していれば幸せだし、身の回りに撮りたいものがなくなったら何処かへ行くし、新しいカメラがあれば撮ってみたい。デジタルでもアナログでもどっちでもいい。
写真はどんなに頭で考えたとしてもも目の目にあるものしか撮れない。いかに素晴らしいテーマがあっても、シャッターを押さなければただのアイディア(もっとも近ごろはwebから拾ってくるという技もあるが)。
自分自身におきたことならいくらでも撮れる。日記と一緒。だから僕に「撮れなくなる」ということは起きない。
「最近撮れなくてスランプなんです」という人には無責任に「カメラ変えちゃえば」と言ってしまう。
新しいカメラは新しい物の見方を与えてくれる。フォーマットが変われば、大げさに言えば世界が変わって見える。たとえば6x6と6x7は、たった1センチ横幅が伸びるだけなのにまったく違うアプローチを求められる。
もっとも、そのくらいフォーマットというのは大事だから、簡単に変えるべきものではないと言われてしまいそうだけどね。逆に言えばそのくらい刺激的ということ。
昨年の夏は8x10インチを使って毎日撮っていた。今年は4x5インチにしようかと思っている。フォーマットの比率は一緒だが、カメラのサイズは4分の1だから撮るものはガラリと変わる。
カメラやフォーマットを選ぶのに、必然から生まれる場合と生理から生まれる場合がある。
今回は何かを撮るために4x5を選ぶんじゃなくて、4x5を選んだからそれに合う何かを撮る。
しばらく6x6は封印だ。