タムロン18-270mmズームレンズ

レンズメーカーのタムロンが60周年を記念して写真家60人による「瞬間と永遠」という写真展を10月に開くことになっている。http://www.tamron60.com/

昨夜はそのパーティが丸の内で行われた。

青木勝、青野恭典、赤城耕一、阿部秀之、有元伸也、飯田 鉄、石井孝親、石川 梵、今岡昌子、魚住誠一、江口愼一、榎並悦子、大西みつぐ、大和田 良、岡嶋和幸、川合麻紀、木村惠一、熊切圭介、小澤太一、小林義明、小松健一、齋藤康一、佐藤仁重、鹿野貴司、清水哲朗、新藤健一、諏訪光二、曽根陽一、田中希美男、田沼武能、塚原琢哉、土屋勝義、テラウチマサト、豊田直之、中井精也中里和人、中谷吉隆、中藤毅彦、並木 隆、新美敬子、西平英生、ハービー・山口、萩原史郎、秦 達夫、hana、広田尚敬、広田 泉、深澤 武、藤井智弘、ホンマタカシ、前川貴行、水谷たかひと、水谷 充、桃井一至、矢野直美、山田敦士、横木安良夫、吉田 繁、吉野 信、渡部さとる

60人全員が新発売の18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZDを使って撮影している。このレンズはAPS-C専用のため35ミリサイズで換算すると28−400というとんでもない倍率になる。しかもレンズ内に手振れ補正装置がついている。スペック的には最強のレンズだ。

EOS7Dにつけてズームリングを回すと今まで見たこともない世界が現れる。普段使っているズームレンズはタムロンの28−75mmだけにその劇的な変化に頭が対応するのが大変。


ちょうど僕らの世代がズームレンズ実用化の時代と重なる。写真を始めた1975〜80年あたりから次々とズームレンズが生まれてきた。

何本もレンズを買わなくても焦点距離が自由に変えることができるのは夢のような話だったのだ。その頃の一眼レフカメラは、標準レンズといって50㎜付で買うのが当たり前だった。

最初に買ったズームレンズはオリンパスのズイコー75-150mmF4。買った時は興奮したな。でもピントが合わなくて本当に苦労した。

学生時代は値段の安い35-70mmを使ったこともあったが、まだズームレンズは邪道という考えが皆の中にあった気がする。

新聞社に入ってすぐに支給されたのがニッコール80−200㎜F4。ズームリングが回転式ではなくて直進式だったので、ワンハンドで画角とピント合わせができた。報道カメラマンは、ほぼ全員これを使っていたものだ。

ロッカーにはそのほかにも何本かズームレンズがあって、その中にはニコンの43ー86mmという中途半端な焦点距離のものもあった。今調べたら1963年に発売されている。使ってみると意外といける。でも焦点距離が半端すぎて使い道がなく誰も使ってはいなかった。

キヤノンからFD20-35㎜F2.8Lという超広角ズームレンズが発売されると、20万円以上した気がするが、すぐにボーナスで買ってT90につけて使っていた。

性能はまったく問題ないどころか、かなり優秀だったが、使いこなすまでに1年以上かかってしまった。ファインダーを覗いてズームレンズを動かすと、フレーミングが必ず広角側の20㎜になってしまうのだ。できた絵はスカスカで、必要なところを引き伸ばしでトリミングして使っていた。できた写真は28㎜くらいで撮った感じになる。だったら最初から28㎜で撮ればいいということになる。覗く前に焦点距離を決めるという習慣ができるまでかなりの時間を要したのだった。

今回タムロン18-270mmのレンズを使うときも、あらかじめ指標を見て、大体の画角を決めてから撮影した。しかし気が付くとついつい広角側になっていたのだった(笑)。