石川圭花「乾いた魚」銀座ニコンサロン

「石川さんは2003年に僕がワークショップをはじめたときの1期午前に参加してくれました。その時最初に見せてもらった写真はサービスサイズのお店プリントでした。1年後ワークショップのグループ展に出したのはモノクロプリントで、もうその時からすでに真っ黒でした(笑)以来ずっと黒焼きにこだわって、自分にとっては別段黒くないらしんですが、持ってくる写真持ってくる写真ずーっと真っ黒でした。それが白岡さんのワークショップカロタイプに通い始めた頃から徐々に変わりはじめ黒いと暗いの差が出てきました。今までは自分が見せたいところだけ出ていればいいんだというプリントだったのに、いつの頃からか黒と黒のつながりが見えてくるようになってきました。彼女はアルルのレビューも受けたし、東川も行ったし、ニコンのレビューも何度も受けて、プリントした枚数は積み重ねたらおそらく彼女の身長を超えているはず。ステートメント講座を繰り返し受けて自分の写真についても深く考え、やるべきことは全部やったうえでの今回の展示です。銀座ニコンサロンは写真を志す者にとって特別な場所です。著名な写真家が軒を連ねる中、初個展が銀座ニコンサロンという写真家は数えるほどしかいません。多くの若き写真家がチャレンジして、ことごとく失敗しているんです。それをくぐりぬけてここで写真展を開けるというのとはクオリティが満たされているといことに間違いありません。一番最初に僕が写真展を開いたときにそこの館長から『あなたを選んだのは可能性にかけたからです。あなたが入ることで実力がある写真家がひとり外れているんです。そういう人たちを代表しているのですから、あなたには写真を続ける義務があります』と言われました。その言葉は今でも忘れていません。その言葉をそのまま彼女に贈ります。これからは必ず聞かれるはずです『次は何をやるの?どこでやるの?』それに答える義務がすでにできたことを忘れないでください。」