今週の写真展ふたつ。

今週のニコンサロンは新宿も銀座もワークショップを出た人だ。ふたりともワークショップのグループ展を経験した後も制作を続け、ニコンでの展示につながった。

銀座ニコンサロン荒川 拓大『識閾』
1月30日(水)〜2月12日(火)[2月2日、3日は休館]
10:30〜18:30(最終日は15:00まで)

新宿ニコンサロン 佐藤静香『たくと』
1/29 (火) 〜2/4 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)

まずは新宿ニコンサロンへ行ってきた。juna21という公募による新人賞で、賞金と新宿大阪での展示ができる。新人の登竜門みたいなものだ。たくさんの人に見てもらうことができて、祝福してもらえてスタートできるのは幸せなことだ。

題名になっている「たくと」は彼女の弟。少年から男になるほんの一瞬をとらえている。たしかに「たくと」を撮っているのだが、その周りに写っている家族が気になる。リビングルームでそれぞれにくつろいでいる、彼女にしてみれば普通の光景だ。

彼女は25歳か。つい自分が25歳の時を思い出してしまう。

新聞社の仕事がつらくて、毎日が憂鬱だった。たまに実家に帰ると茶の間には父と母と妹と祖母がいて、愚痴をこぼしては慰められていた。最後に皆が揃って笑って食卓を囲んだのはいつだったんだろう。

いつしか彼女の家族を通して、自分の家族のことを思い出していた。

ペンタックス67で撮られたネガカラープリントは密度があるのにどこか甘くて、それが「記憶の共有」をうながしているようだ。