今日は家でカレー

メディアには耐用年数があるのだと近頃実感する。もう誰も紙媒体でアルバイトを探さない。

「フロムエー」という雑誌が3月をもって休刊になった。「アルバイトから始めよう」でフロムエー。アルバイトの求人雑誌で、お世話になった人も多いだろう。

僕が大学2年生の時に創刊した記憶がある。あれから28年か。ここ最近は仕事をすることもなかったが、フリーなりたてから15年以上関わっていた雑誌だ。

フリーなりたての頃、ある遊びで知り合った友人がフロムエーの編集部にいて、そこで仕事をするようになった。当時求人情報の前後60ページくらいは記事ページになっていた。

そのころの編集方針は「求人と関係ない記事を作る」。いかにバカバカしいことを真面目に記事にするかというサブカル誌のようなテイストだった。

週1回の発行はバブルとともに2回になり「カーカキンキン」のCMが連日のようにテレビに流れていた。

景気は絶好調、求人募集は引きも切らず、掲載できる限界をはるかに超える出稿申込みががあり、営業の仕事は「いかに丁寧にお断りをいれるかだ」とさえ言われていた。

その恩恵で製作費に気を使う必要はまったくなく、ついには耐久カーレースに自社チームを出し、ルマンまで参加していた。外タレの公演、プロスキーチームのスポンサード、イベントの開催、各種アワード、それらにまつわる全ての事柄の撮影をしてきた。

バブルが去り、ネットが普及し、そのたびに規模が縮小されついに休刊。でもこれは時代的に仕方のないこと。感傷的にはならない。