洞窟の壁画とシャーマン

朝 イワシチーズトースト、ベトナム野菜スープ

夜 新高円寺の「せんなり」

終日美術史プレ講座の資料作り。 2BChannelの動画で語られていることを美術史と繋げてみる。かなり面白いものができた。無料なのでぜひ参加してください。

無料美術史プレ講座申し込みform    https://satorw.hatenadiary.com/entry/2022/02/23/204113

嬉しいことに1日で100名以上の申し込みがあった。「今回これが決定版だと言い切れます」の動画が気になった人が多かったのかもしれないが、ありがとうございます。この動画、編集のために何度も聞き直したが、全く飽きなかった。

プレ講座の資料を作っている時に「洞窟に描かれた壁画」のことを調べていたら、最新の研究で「洞窟の奥深いところに描かれているのは宗教的儀式のためではないか」というものがあった。多くの洞窟壁画が、なぜか入り口からかなり離れた光が届かない場所に描かれている。なので松明を焚かないと絵をみることができない。松明を焚くと酸素を消費するから酸欠状態になる。するとそこで幻覚を見る。シャーマン達はそれを利用していたのではというのだ。

真っ暗なところで松明の炎が揺れながら絵を照らす。描かれた動物たちは、あたかも動いているように見えてくる。それを見ているうちに徐々に酸欠になってボーッとしてくる。そこで聞くシャーマンの声は、別の世界からからのメッセージに聞こえたのかもしれない。今となっては真相は分かりっこないが、この説が結構有力じゃないかというのだ。洞窟に絵を描くという表現行為が、何かと何かを結びついていたというのは現代でも同じ。こんな話を今回の講座で話そうと思っている。

 

<2015年 2月26日の日記から>

5匹350円のイワシを買ってきて酢〆。ゴマと大場とネギと生姜を大量に刻んでわさび醤油で合わせる。   英語を勉強し始めると、それに伴い日本語が抜けていく。何か書こうと思ってもまとまらないし、思いつきもしなくなる。英語の勉強といっても、ただ単語と用法をiknowというアプリでバカの一つ覚えのように暗記して(もう4000語くらいになる)他にはVOA(ボイスオブアメリカ)のサイトでニュースを聞いて、週一回カナダ人女性と個人レッスンをやっているだけで目立った進歩はこれといってない。講師のカナダ人は、まだ30歳ちょっとなのだが、人生の経験量がものすごい。大学院で心理学を研究して、歌手としても同時に活動し、世界中を回り、今は日本人と結婚してラブラドール犬と双子の母親。とても20歳年下と話しているような気にはならない。英語を習うというより、日本に住む外国人がどのように日本を感じているかが分かるのが面白い。前回のお題は曽野綾子の一連の記事について。南アフリカの友人もいる彼女の話を聞いて、ディベートになるようにあえて反論してみたり、日本の構造的な問題や歴史的な背景を説明していく。島国である、土地が狭い、ほぼ単一民族、単一言語、宗教感が薄い、血族を大事にする、少子化、高齢化などなど。

「子どもを育てるなら、日本とカナダではどっちがいいと思う?」と聞いたら「やっぱりカナダが育てやすいと思う」と言っていた。日本の教育は画一的に見えるし、実際彼女が日本の小学校で教えていた時に一枚の紙を渡して「自分の名前を書いてください」と言ったところ、全員が周りを見てモジモジして誰も書かないことがあったという。理由を尋ねると「紙のどのへんに、どのくらいの大きさで書いていいかわからない。誰も書かないから私も書けない」と言ったそうだ。それを見て彼女は相当ショックを受けたらしい。日本で教育を受けたら自分の子どももこうなってしまうのが恐ろしいと。

ある大学生に英語を教えた時は、彼は日本でもトップレベルの私学の学生なのだが、会話がまったくつながらない。ある程度英語は理解できている、でも何も話さない、ただ頷いているだけ。極めつけは「趣味はなんですか」という質問に絶句したように10分以上かたまり、ついに何も答えなかったそうだ。

そんな話を聞いていると日本を擁護しようにもこっちが唖然となってしまう。日本は今、移民を増やさざるを得ない状況なんだよな。モバイル自動翻訳機が開発実用化されても、言語だけではその溝は埋まらんぞ。