7日に渋谷ウィリアムモリス、8日にギャラリー冬青の搬入、架け替え完了。
ウィリアムモリスはブラウンの壁に、青い色味のプリントがよく合う。
『犬をつなげ mongolia2006』となっているが、実は2005年の撮影だった。これまで3回モンゴルにいっているのでごっちゃになってしまった。
ピンホールカメラで撮影した草の海の蒼天です。
冬青の展示は写真集『prana』から。展示プリントは同じオリエンタルの印画紙ながら2つのタイプを使っていて、表現がまったく違うものになっている。印画紙の担う役割は大きい。
冬青の展示時間は通常夜の7時だが、毎週水曜日に限り夜9時まで延長してもらえることになった。開催祝いに頂いたワインがあるので、グラス片手にゆっくり見てもらうことができる。
日本のギャラリーは閉まるのが早いので、これは画期的。
以下は写真展情報です。明日の9日金曜日11時から冬青に在廊します。皆様のお越しをお待ちしております。
渡部さとる写真展
2015年1月に2会場で写真展を行います。「prana」は日本各地のモノクロ作品27点、「犬をつなげ」はモンゴルのカラー、モノクロ作品12点を予定しております。
いずれの会場も 日・月・祝日 である11,12,18,19,25,26日(ウィリアムモリスは第3土曜日17日も)がお休みですのでご注意ください。
基本的にギャラリー冬青に常駐いたします。ただし土曜日だけは午後5時以降になります。
写真展情報
「prana」
会場
ギャラリー冬青
住所
〒164-0011 東京都中野区中央5-18-20
TEL:03-3380-7123
gallery@tosei-sha.jp
http://www.tosei-sha.jp/
展示期間
2015年1月9日(金)〜 2015年1月31日(土)
11時〜19時(休館日 日・月・祝日 11,12,18,19,25,26日)
毎週水曜日は夜9時まで延長します。
「犬をつなげ」
会場
WILLIAM MORRIS
珈琲&ギャラリー ウィリアム モリス
住所
〒150-0002
東京都渋谷区渋谷1-6-4 The Neat 青山2F
電話
03-5466-3717
展示期間
2015年 1月8日(木)〜1月29日(木)
13:00〜18:30
日、月、第3土曜日(17日)休
「prana」(プラーナ)
2014年12月、4冊目の写真集となる「prana」を出版いたします。
2012年出版した「da.gasita」は生まれ育った山形県米沢市を中心に、東北の風景をまとめたものでした。今回の「prana」は「da.gasita」出版以降の2年間で北海道、東北、近畿、山陰、四国、屋久島と日本を巡り、その先々で撮影したものです。
「prana」とはサンスクリット語で「風」を意味し、風には自然のエネルギーが含まれていると古代インドでは考えられていました。
2000年に初めて出版した写真集「午後の最後の日射」以来、長い間正方形のフォーマットでモノクロフィルムを使い印画紙にプリントしてきました。次第にその組み合わせで表現できるものは何かということをいつも考えるようになってきました。
そのひとつの答が「エネルギー」という目に見えないものの存在を表せるのではないかということです。山々に囲まれた場所に育った僕は、自然の中の「エネルギー」を強く感じることが多々あります。それは人々の生活や、人そのものにもあるように思えます。
タイトルの「prana」はサンスクリット語で「風」を意味します。古代インドで「風」とは自然界のエネルギーのことでした。そしてその考え方は仏教を通して日本にも伝わってきます。日本人は自然のなかの「何か」に思わず手を合わせてしまいます。そんな場所に僕は強く惹かれます。
サイズ、デザインとも「da.gasita」と「prana」は、ふたつでひとつになるように構成しました。そして現在進行中のものは、2017年を目処にこの2冊をベースに小さな点から外に手を伸ばしていくようなものを考えています。
「犬をつなげ」−Mongolia2006
2006年にモンゴルを訪れて以来、3度に渡って南部ゴビ砂漠や中西部を回りました。道は真っ直ぐに首都ウランバートルから放射状に延び、交わることはありません。宿もないような場所では牧民の移動式の住居ゲルを探し「今晩止めてください」とお願いすることになります。
ゲルの前には必ず真っ黒な犬がいて、見知らぬ顔の我々をうなり声とともに威嚇してきます。そんなときは大きな声で「サンバイノウ」と声をかけると、ゲルの中から家主が出てきて犬をつないでくれます。
「サンバイノウ」とは直訳すれば「犬をつなげ」。またそれはモンゴルでの「こんにちは」の挨拶となります。一度ゲルの中に招き入れられると犬はこちらを客人とみなし、一切吠えなくなります。翌朝ゲルの周りを散歩すると彼らはボディガードのように後をついてきてくれました。
お椀をかぶせたような半球状の空はひたすらに青く、0.17ミリのピンホールカメラの穴はモンゴルの蒼天をとらえました。