カムジャタン麺

昨日は3冊の「旅するカメラ4」を持って新宿の写真展へ。

コニカミノルタでは齋藤亮一さんの「佳き日」をやっていた。齋藤さんの写真展は15年ほど前からずっと欠かさず見ている。

ロシア、バルカン、中央アジア、中国、中東、インドと世界地図を塗りつぶすように撮影を重ね、ほぼ毎年のように写真展を開き、その都度写真集を作っている。齋藤さんは二つ歳上で、僕の道標のような人だ。

なのに2007年のインド以来、写真展を開いておらず、どうしたのかと思っていたら、今回は日本のお祭りが舞台だった。

その写真は小さな村で集落だけでやっているようなものばかり。http://p.tl/W1qY

それを何のてらいもなくストレートに撮っている。以前の齋藤さんと言えばペンタ67で特徴的なトーンのモノクロ写真だった。プリントの力強さは見る者をわしづかみにする印象だった。

ところが「佳き日」は1枚1枚の訴求力はそんなに強くない。でも重ねて見ていくと静かな興奮が生まれてくる。そして「日本っていい」と思ってしまう。

機材はフィルムからデジタルに全面移行したそうだ。少々残念だが違う齋藤亮一が生まれた感じだ。ちなみにニコンD300に28-200相当のズームレンズ1本で今回は撮っている。フルサイズ機も持っているが、それだとフィルムと同じ感覚になってつまらないと言っていた。普通はフィルムと同じ感覚を望むものなのに面白い考え方だ。

それにしてもこんなに「普通」に撮れるのは本当にすごいことなのだと思う。見栄とかよく見せようとかまるで感じない。僕にもこんな風に撮れる日がくるんだろうか。

シリウスでは宝田久人・鵜沢昭彦・稲垣 徳文 写真展 「止まらない汽車・2 三人展」をやっていた。

稲垣さんのプリントは不思議だ。なんであんなにトーンが出るのか?思わず「フィルムは何?現像液は?」と質問攻めにしてしまう。

フィルムはトライXで現像液はエクストール、伸ばし機はオメガの集散光式。

トライXとエクストールの組み合わせで散々やってみたが上手くいかない。ネガはとても美しく仕上がるのだが、プリントするとグレーがガサガサになることが多い。焼きづらいのだ。引き伸ばし機との相性というのもあるのだろうが難しい組み合わせだと思っていた。でも稲垣さんの写真を見る限りとてもいい組み合わせに思えてくる。

シリウスからトーテムポールに足をのばすが月曜日はお休みだった。またやってしまった。トーテムに行くとお休みが多い。残念ながら有本さんの写真は見れず。

齋藤さんと稲垣さんには「旅するカメラ4」を渡せたが、有本さんには買っていただこう(笑)