新宿エプサイトに上田義彦写真展「atHome」を見に行く。http://epsite.epson.co.jp/
上田義彦は僕のとても好きな写真家のひとりで、彼の撮るポートレート写真には、大きく影響を受けている。
その彼が、長年撮りためた家族のスナップを展示するというので、楽しみにしていた。
想像しうる、もっとも理想的な家族スナップが展示されていた。こんな家に住みたいし、生まれたかった。でもあまりに完璧すぎて、見ていてもうまく写真の中に溶け込めない。
「atHome」の写真が発売されたら、もう一度見直してみたい。
娘が中学生になった。真新しい制服で学校に行っている。朝、彼女が出かける支度をしているところや、夜テレビを寝そべって見ているところをローライで撮っている。
写真を撮られるのが本当に嫌そうだ。僕がカメラを持つとプイッと背中を向ける。だから今撮っている写真は背中ばかり写っている。
娘が言う「なんでお父さんは私の写真ばっかり撮ってるの!」
住んでいるのは賃貸だから、しばらくしたら今のところから引っ越してしまうだろう。かわいそうなことだが、彼女には懐かしめる実家というものは存在しない。
だからせめて写真の中にとじこめておきたい。将来、背を向けて写っている自分の写真を見たら、その頃のことを思い出せるはずだ。
でも実はそんなことより、撮っていて面白いのだ。背を向けた横からのぞく表情が大人びてきているのが分かる。娘には内緒で写真展をやりたいくらいだ。
週末に娘を始めてきちんとしたホテルのレストランに連れて行った。食事の前にはラウンジでお茶をのんで雰囲気を味あわせる。
料理がおいしいところは他にもたくさんあるが、最初はホテルがいいと思ったのだ。
窓から見える都庁の夜景がきれいだった。