桜咲く。花粉まだ飛ぶ。

2日間スタジオ撮影。昨日に至っては開始9時半、終了が23時。ひさしぶりに働いた気がした。隣のスタジオも同じような撮影で、同じ時間にスタートしやっぱり同じ時間に終わっていた。ちょっと親近感をおぼえる。スタジオマンは、昼休憩一時間、中休み15分以外ずっと立ちっぱなし。「座っていていいよ」と言っても立ち続けていた。僕らは今日休みだが彼は土日も仕事が入っているといっていた。オツカレサマ。

どんなに大変な仕事でも撮影している時だけは楽しい。どんな時でも写真を撮っていればそれでシアワセ。ある冒険家の一言が心に残っている。世界中をオフロードバイクで走破している彼は「秘境に行くだけが冒険じゃない、僕は何処であろうとも次の峠をこす楽しみを知っている」。29歳の時、ランタンの灯るテント中で聞いた、僕の人生の中で一番大切な言葉。

友人のカメラマンK氏が事務所を引っ越すと言うので元アシWと遊びに行った。目的はいらなくなった機材をいただくため。Wは新品のエアーコンプレッサーを破格値で譲ってもらう。以前は印画紙乾燥機もタダでもらっている。Wはいつの間にかシノゴのカラー引き伸ばし機、シノゴのモノクロ引き伸ばし機、CP31、乾燥機、エアーコンプレッサーを、ほとんどタダ同然で揃えてしまった。一種の才能かも。

K氏は上海にも事務所を作り、中国と日本を行き来すると言っていた。9年来撮っている上海の写真を見せてもらう。立派な暗室を持っていた彼だが、今では全てのネガをスキャナーで読み込んでパソコンで出力している。そのまま印刷原稿に使えるクオリティだ。反射原稿とデータ原稿で入稿したモノクロ写真の印刷物を見せてもらったがまったく区別が付かない。彼の今度の事務所には暗室は作らないという。

肥大化した我が暗室がなくなる日は来るのだろうか。