ワークショップ2Bについて。

2003年6月に始まったこのワークショップは、一度も間を空けることなく今まで続いてきました。これまで参加してくれたかたは600人を超えています。

ここ数年、写真を取り巻く環境は劇的といっていいほど変わり続けています。

12年前にワークショップを始めた時、写真を勉強するということは、取りも直さずフィルムで撮影して印画紙にプリントすることを学ぶことでした。

その頃の写真の定義というのは非常にシンプルで「印画紙に焼き付けられたもの」でした。デジタルカメラで撮られたものは「画像」であってこれを写真と呼ぶことはやめましょうと、公的なアナウンスがあったくらいです。今から考えると隔世の感があります。

時代は移り、もはや写真はデジタルの時代であるのは間違いのないところです。しかし2Bでは、いまだにフィルムで撮影して印画紙にプリントすることを中心に講座を行っています。

その理由は写真がより深く、そして楽しく理解できると思っているからです。一度暗室でプリントを体験してみることは、これから写真と付き合っていく上で必ず役にたつはずです。そしてなにより写真に興味がある人にとって、暗室作業は間違いなく楽しいものなのです。

近頃のフィルム、印画紙の高騰で銀塩は使いづらくなる一方ですが、2Bでは海外通販を利用して大量に購入することで、以前とさほど変わらぬ価格で使えるようにしています。また撮影実習中は35ミリカメラのほか、ハッセルブラッドローライフレックス、マキナ、ペンタックス67Ⅱなどの中判カメラを自由に使うことができます。

講座では撮影実習と暗室作業を繰り返すことで、光のことが体感として理解した上で「撮る」ることができるようになります。一方で写真の歴史から現在の写真のありかたを説明していくことで「見る」力をつけることができます。半年から1年後にはグループ展を通して「見せる」ことも経験できます。

講座は渡部さとるが全て一人で行います。これまでの参加者の中からは個展、写真集出版、賞の受賞、海外フェスティバルへの参加など活躍しているかたも少なくありません。

しかし2Bは写真家を育成する場所ではないと考えています。写真を一生の楽しみとして続けられるきっかけとなるような場所になればと思っています。

「ワークショップ2B」の2Bとは2階のB号室のこと。「渡部さとるワークショップ」ではなく「ワークショップ2B」なのは、講座中も、講座終了後も写真を楽しむことのできる場所の提供だからです。

土曜日、午前、午後、日曜日午前のカリキュラムは同じで、都合に合わせ自由に振り替えることができます。また仕事や体調の都合でお休みした場合は次期への振り替えもできます。講座料はその回ごとの支払いで一括入金の必要はありません。

皆さんの参加をお待ちしております。