今年の成人式はいい天気だった。

娘が成人式を迎えた。20年はあっという間。

生物学的な責任を終えたような気になっている。もっとも何にもしてこなかったけれど。

もう父親は頼られる存在ではなくなった。娘ができることのほうが多いのだ。

ちょっと寂しいが、その分嬉しい。


成人式で着る着物で写真を撮ることになった。小さい頃から写真を撮りすぎたせいか、娘は写真を撮られのが嫌いになった。小学校5年生くらいからかなあ。

今回も「お父さんとお父さんの知り合いには撮られたくない!」と断固拒否の姿勢だった。まあしかたあるまい。

着物はレンタルだったので、セットでスタジオ撮影がついているからそれでいいということなのだ。

で、前撮りに行ってきたのだが憮然としている。出来上がった写真を見たら十分よく写っている。ライティングもいいし、プリントもきれいだ。

いいじゃないか、と言ってもこんなの嫌だと言う。なんでだめなの?と聞いたら「こんなポーズありえない」と言うのだ。確かに傘を持っているポーズは如何なものかとは思ったが。

それでようやく父親登場になった。再度着付けをして自宅で撮ることにした。

ガレージの物干し竿に大きな布をかけて即席スタジオを作った。α7にコンタックスプラナー85mmF1.4をつけて撮ることにした。この組み合わせは肌の色ノリがいい。レタッチしなくても十分きれいだ。

幸い薄曇りでちょうどいい光になっていた。ガレージから始めて玄関、彼女の部屋と場所を変えて思う存分撮った(笑)

アップはもちろんだが、ちょっと引いて家の様子がわかるようにした。彼女の娘が成人した頃に楽しめるようにだ。

プロカメラマン30年の仕事だ、結果は悪かろうはずがない。

以来、娘の父親に対する評価はちょっと変わったようだ。