坦々麺とグラスビールのお昼。

銀座のギャラリー「月光荘」で、おおのきよみ『Bali Sketchbook』を見に行った。写真じゃなくてイラスト展。http://asiancafe.petit.cc/

おおのさんのイラストは「旅の指さし会話帳」のシリーズを数多く書いているから知っている人も多いはず。この間はNHK BSの「アジアクロスロード」の「カレンダーde旅アジア」のコーナーに出演していた。

最初にバリ島へ行ったのが25年近く前。それから何度か足を運び、最後に行ったのが2002年だから8年も前になるのか。

「今まで行った場所で一番よかったのはどこですか?」と聞かれると「やっぱりバリ島だね」と答えてしまう。あそこは特別。

妻も一緒に展示を見に行った。彼女の初海外もバリ島で、新婚旅行だった。3週間かけてバリのあちこちを見て歩いたのが、ついこの間のような気がする。でももう20年も前の話だ。

時間をかけて我々の頭の中には理想のバリが作り上げられている。おおのさんの描くバリはあの時感じたまんまのバリ。

暑くて、だるくて、いいかげんで、ちょっとずるくて、ものすごくやさしい。会場内に漂うお香の香りが記憶の隅にしまわれていた出来事を呼び戻してくれる。

旅先で書かれた水彩の絵と、帰国後書かれた記憶のバリが展示してある。イラストの視点(視線)は写真よりずっと高めだ。写真は中に入り込むように撮ることが多いが、イラストはちょっと引き気味で高い場所から全体を眺めているように見える。

東南アジアに行きたい。屋台で食べたい。グダグダしたい。暑い暑いといいながら薄いビールが飲みたい。

そんな気分になれる展示だった。