撮影の合間に初台オペラシティでやっている「ヴォルフガング・ティルマンス 展」を見に行く。今月の目玉のような写真展だ。本人のトークショーには若い女の子がわんさかきていたらしい。
ティルマンスといえば「コンコルド」の人だ。4,5年前デザイナーやディレクターの事務所に行くと必ず置いてあった。そのときは知らなかったのだがロンドンの雑誌「ID」で注目されている写真家だった。
その写真集以降、日本でもティルマンスの人気は凄いことになっていくのだ。先月の雑誌ブルータスでも大きく取り上げられている。
今回の展示を見て「なるほどこれがティルマンスの世界か…」と言うのは理解できた。1点1点にはなんの脈絡もない。図録の写真集は面白い。彼の世界がギュッとつまっている。ちばみに大四つ切くらいのオリジナルプリントが38万円で販売されていた。
会場をでても、なんとなく消化不良の感じは否めない。初台から近くの松涛美術館「安井仲治展」をはしごする。
38歳で急逝した作家で戦災でネガのほとんどが失われたというが、残された写真はどれも驚くべきものがある。昭和初期にもう写真というジャンルが完成されていた気がする。ティルマンスで大きく右に振れた針が安井仲治で戻った気分だ。
見終わってからホッとした。ここでも図録を購入。