ふたつのトークイベント

朝=お雑煮/夜=高円寺「フジ」のチキンソテー

「da.gasita」の再販開始の翌日に100冊ほどの注文があったので「初動3倍説」から考えると300冊が1ヶ月以内に動くと予想したけど、10日経つくらいで注文が落ち着き、2週間たった現在ほぼ300冊になった。購入していただいた皆さま、本当にありがとうございます。予測は当たったことになるかな。12日(日)で終了した北村写真機の会場でも、1日だけ手売りをすることができて、その時に持って行った40冊が売れたのと、4月の冬青での個展で100冊以上売れれば、計500冊となり、かかった経費は取り戻せることになる。『da.gasita』の販売サイトはこちら。特製トートバッグ付きでお届けします。送料無料、定価4959円(税込)https://2bh.base.shop/

13日(月)に搬出が終わり「da.da in monochrome 」は終了。2週間はあっという間だった。デジタルカメラで撮影したものをインクジェットでモノクロにプリントするのは初めての経験だったし、和紙を使うというのも今までやったことがなかった。フィルムと印画紙の組み合わせよりも、情報量は格段に出しやすい。だからといって全面的移行するのも抵抗感がある。

僕の搬出と次に展示をする市橋織江さんの搬入が重なっていたので、初めて挨拶をした。市橋さんは写真の界隈では特別で圧倒的な存在。その市橋さんと18日(土)にトークイベントができる。これは役得としか言いようがない。搬出と搬入の間にちょっとだけお話をすることができたのだが、その魅力にやられてしまった。市橋さんとのトークイベントは18日の19時からなのだが、残念ながらすでに会場参加の定員は埋まってしまった。しかしその様子は後日「2BChannel」で配信することになっている。

それともうひとつ、その日の13時からは、リコーのイベントで対談をすることになっているのだが、そのお相手が写真系Youtuberの「ゆ〜とび」さん。登録者数11万人以上。日本の写真系Youtubeで10万人登録者数があるのはごくごくわずか。リコーのイベントには毎回お呼ばれしていて、これまでは同世代の赤城耕一さんや加納満さんとの対談だったが、今回は僕のたってのリクエストで「ゆ〜とび」さんに出ていただくことになった。最近アップされたものは全部見ているのだが、面白い。癖になる。「はじめ社長」の写真版という感じ。

大阪梅田のヨドバシカメラでイベントをやった時には、Youtubeの告知のみで300人定員があっという間に満席になったと聞いて驚いた。ゆ〜とびさん以外で300人を集めることのできる写真関係者っていない。森山さんや荒木さんでもプロモーションなしでは難しい気がする。もちろん18日のイベントは、僕が何もしないうちにあっという間に埋まってしまった。その様子はリコーのLINEに登録すると配信で見れるそうです。

<2022年2月14日の日記から>

外は雨。何だか外に出るのがおっくうになる。そこへ友人が発売されたばかりのライカM11ブラックを持って遊びにきた。レンズは最新のズミルクスの50ミリ。そしてM9に旧世代のズミルクス35ミリも一緒。うっとしい気分が吹っ飛んでしまう。二つのボディに二つのレンズを付け替え撮り比べ。M11はブラックボディがアルミ製でシルバーボディが真鍮製。アルミの方が断然軽いらしい。でも間違いなく来年にはM11Pが出てきて、それは真鍮にブラックペイントされている物だろう。最新のレンズは重い。ヘリコイドも硬め。M11とのバランスはお世辞にもいいとは言い難い。机に置いた時もレンズがお辞儀をしてしまう。M9だとボデイが重い分だけバランスが取れる。M11には旧タイプの軽いレンズがしっくりくる。そして写りも最新レンズよりも旧タイプの方がよく思える。反対に10年以上前のM9に最新のズミルクスを合わせるととんでもなくよく写る。そんな写りの差が何かに影響するかといえば全くそんなことはないのだが、大人二人が ずっと楽しめるものには間違いない。M11は冷静に見ていられる。確かに物凄く魅力的だが、ボディだけで120万円と暴力的。近づこうにも近づけない(笑)。昨日の過去日記に10年前にM9Pを悩む話があったけど、70万円なんて可愛く思えてくる。でもなんでライカって魅力的なんだろ。不思議なカメラだ。

 <2003年 2月14日の日記から>

おでんを作る。利きビールテストにまたも敗れる。いい天気。こころなしか暖かい。現像機の水温は14℃を指していた。昨日、一昨日のプリント。モノクロネガで撮ったものをカラーペーパーに焼く。このほうが印刷に合うような気がする。試しにデジカメで撮った同じカットをパソコンでモノクロ変換して出力してみる。結果はフィルムからのプリントに分があった。しかしネガで撮ったものを、高性能のスキャナーで読み込んで出力したならプリントよりうまく出るかもしれない。「季刊クラシックカメラ ローライ特集号」で友人のカメラマン海原氏がこの方法で印刷原稿を作っていた。上海を舞台とした美しい写真で、てっきりモノクロプリントだとばかり思っていた。ふとデータを見ると、「ニコンクールスキャン8000EDで読み込んだものをエプソンPM-4000PXで出力」と書いてある。彼ほどのプリントテクニックの持ち主がデジタル出力を選ぶとは。この写真がパソコンを買い換えるきっかけの一つになった。昨日出力してあった「東京」の写真を張り合わせて本を作ることにした。前回写真集を作った時に、出版社が決まる前にデザイナーがプリントアウトしたもので見本を作ってくれた。これによって話しが具体化していき、出版に結びついた経験がある。ところが張り合わせなどの丁寧な仕事は、まったくもって苦手である。頼みのアシTは風邪で今日は休んでいる。月曜日まで待てばいいのだろうが、どうにも気になって仕方がない。意を決して自分でやってみることにした。張り合わせていくとどんどんずれていくのがわかる。収拾がつかないところまでいってしまった。それをなだめすかして、なんとか2時間かけて終了。空き箱の段ボールを表紙にして、世界でたった一つの写真集が完成した。