フリーランス歴36年

朝 鱈とサワラの西京焼き、厚揚げと豆の煮物、白米、味噌汁

夜 あんかけ玄米パスタ、アボガドとキャベツのサラダ

写真集『da・da』がついに全県制覇になったと担当者から喜びの連絡があった。なんか手応えがあった感じで嬉しい。皆さん、本当にありがとうございました。

プレ講座の配信の1回目終了。全力で60分解説。平日なのに100人近くの方に視聴してもらえて、ありがたかった。 2回目は6日(日)の20時から。内容は同じだけど、ライブなのでちょっと違うことをしゃべるかも(笑)。プレ講座講座の申し込みは以下より(IDとパスワードは1回目と同じです)

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一昨年から美術史を話すことが仕事になってしまった。不思議だ。こんな風になるなんて。かといって写真を撮ることから離れているかといえばそうでもなくて、昔のようなクライアントがいなくなっただけなのかも。 2B Channnelのインタビューでインフォバーン代表の小林弘人さんが「フリーランスが受託の仕事で食べていける時代ではなくなった」と言っていたけど、いままさに身に染みる。自分で仕事を作り出すなんて20年前は考えもしなかった。ひたすら写真をスキルアップして上手くなればお金が入ると信じていた。おそらく10年後には全く違うことをしているんじゃないだろうか。2022年の日記を見て「ああ、こんなことやってたなあ」って言うのかな。その時は何やっているんだろ?

 

<2017年3月3日の日記から>

今年は花粉症の症状が出ない。喜ばしいことだが、体が鈍感になった気がしてくる。まあ、そのくらいでちょうどいいのだが。

確定申告の書類を作っていて、ためいきをひとつ、ふたつ、みっつ。フリーになって丸30年。よくここまで生き延びられたと思う反面、いつまで仕事を続けられるのかと思うようになってきた。そんなことは仕事を始めた当初思ってもみなかった。いや、想像することにあえて蓋をしていた。なんとかなる、結果オーライが信条だった。30歳台は世の中にたくさんの種類の仕事があったから、いつまでもこのままいけるものだと思っていた。スキルを重ねれば、よりよい仕事につながると信じていた。でも徐々に仕事というものは、スキルや経験があるだけでできるものでないということに気がつき始める。なぜフリーなりたての、なんの実績もない新人に仕事がきたかといえば、そういう「順番」だったのだ。順番だから、いつかはそのポジションを追われることになり、次の若いカメラマンの順番となる。例外はほとんどないと言っていい。順番を無視してそのポジションにいることができる人というのは怪物なのだ。同じ波に乗り続けていれば、いつかは岸に着く。だからフリーの人たちは新しい波を捕まえ続けなくてはならない。目の前に波が来たと思ったら手をあげて周囲に優先権の主張をしなくてはならない。派手で大きな波を一本乗るより、小さな細かい波を何本も乗る方が安定的に儲けることができる。しかし得てしてフリーで生きるという人は大きな波に憧れる。大きな波に乗った経験があると、小さな波では物足りなくなる。僕らの世代のカメラマンは大きな波が無数にあった時代だったから、いまだに夢見がちなところが抜け切れていない。いや、頭ではわかっていても、体の奥底にくすぶっているものがあるのだ。30歳のカメラマンに「もし渡部さんが今30歳だったら何がしたいですか?」と聞かれたとき、迷わず「勉強がしたい」と答えた。でも考えてみれば、それはこれからでもできる。海外に住むという経験はまだないから、日本以外で暮らしてみたいが、あとはフリーカメラマンとしてはおおかた経験できた。なので新しいことの想像がつかない。もちろん後悔は山ほどあって「あの時ああしていれば」と思わぬ日はない。かといって30歳に戻ったら同じことをやってしまうんだろうということは火を見るよりも明らか。勉強したいと口に出たのは、同じ失敗をしたくないということなんだろう。人生が二度あったとしても結局同じことを繰り返しそうな気がする。