M9とM11

朝 お雑煮、納豆、人参スティック

夜 粗食、コロッケ、人参のラペ

外は雨。何だか外に出るのがおっくうになる。そこへ友人が発売されたばかりのライカM11ブラックを持って遊びにきた。レンズは最新のズミルクスの50ミリ。そしてM9に旧世代のズミルクス35ミリも一緒。うっとしい気分が吹っ飛んでしまう。二つのボディに二つのレンズを付け替え撮り比べ。M11はブラックボディがアルミ製でシルバーボディが真鍮製。アルミの方が断然軽いらしい。でも間違いなく来年にはM11Pが出てきて、それは真鍮にブラックペイントされている物だろう。最新のレンズは重い。ヘリコイドも硬め。M11とのバランスはお世辞にもいいとは言い難い。机に置いた時もレンズがお辞儀をしてしまう。M9だとボデイが重い分だけバランスが取れる。M11には旧タイプの軽いレンズがしっくりくる。そして写りも最新レンズよりも旧タイプの方がよく思える。反対に10年以上前のM9に最新のズミルクスを合わせるととんでもなくよく写る。そんな写りの差が何かに影響するかといえば全くそんなことはないのだが、大人二人が ずっと楽しめるものには間違いない。M11は冷静に見ていられる。確かに物凄く魅力的だが、ボディだけで120万円と暴力的。近づこうにも近づけない(笑)。昨日の過去日記に10年前にM9Pを悩む話があったけど、70万円なんて可愛く思えてくる。でもなんでライカって魅力的なんだろ。不思議なカメラだ。

 

<2003年 2月14日の日記から>

おでんを作る。利きビールテストにまたも敗れる。いい天気。こころなしか暖かい。現像機の水温は14℃を指していた。昨日、一昨日のプリント。モノクロネガで撮ったものをカラーペーパーに焼く。このほうが印刷に合うような気がする。試しにデジカメで撮った同じカットをパソコンでモノクロ変換して出力してみる。結果はフィルムからのプリントに分があった。しかしネガで撮ったものを、高性能のスキャナーで読み込んで出力したならプリントよりうまく出るかもしれない。「季刊クラシックカメラ ローライ特集号」で友人のカメラマン海原氏がこの方法で印刷原稿を作っていた。上海を舞台とした美しい写真で、てっきりモノクロプリントだとばかり思っていた。ふとデータを見ると、「ニコンクールスキャン8000EDで読み込んだものをエプソンPM-4000PXで出力」と書いてある。彼ほどのプリントテクニックの持ち主がデジタル出力を選ぶとは。この写真がパソコンを買い換えるきっかけの一つになった。昨日出力してあった「東京」の写真を張り合わせて本を作ることにした。前回写真集を作った時に、出版社が決まる前にデザイナーがプリントアウトしたもので見本を作ってくれた。これによって話しが具体化していき、出版に結びついた経験がある。ところが張り合わせなどの丁寧な仕事は、まったくもって苦手である。頼みのアシTは風邪で今日は休んでいる。月曜日まで待てばいいのだろうが、どうにも気になって仕方がない。意を決して自分でやってみることにした。張り合わせていくとどんどんずれていくのがわかる。収拾がつかないところまでいってしまった。それをなだめすかして、なんとか二時間かけて終了。空き箱の段ボールを表紙にして、世界でたった一つの写真集が完成した。