『過去はいつも新しく未来はつねに懐かしい』

朝 牡蠣の玄米パスタ

昼 焼きおにぎり

夜 トマト野菜鍋、チーズ玄米リゾット

おにぎりをストーブで焼きながら、森山大道のドキュメンタリー映画『過去はいつも新しく未来はつねに懐かしい』を見る。劇場公開を見逃していたのだが、先日Netflixで配信されていることを教えてもらった。部屋のカーテンを引いてプロジェクターで鑑賞。あれこれエプソンの文句を言っていたが、画質はまったく不満がない。もう食堂に据え付けているから設定問題もクリア。いつもはYoutubeのミュージックビデオを流しっぱなしにしているのだが、家に遊びに来た人からも評判がいい。

さて映画だが、80歳になる森山大道が街中をスナップする様子が満載でそれだけで嬉しい。時折ニコンのコンパクトカメラの背面液晶が写るのもいい。80歳になっても20歳の頃と同じ場所を取り続けている。「飽きませんかと聞かれるけど、まったく飽きないね」と言っている。話の大きな筋はブックデザイナーの町口覚さんが森山大道1968年発行の『にっぽん劇場写真帖』を復刻する工程が描かれている。冒頭の写真集用の紙の原木を切り出すシーンが印象的に描かれる。森山さんの映画であると同時に町口さんの映画にもなっている。「日本一の造本家」と言われる町口さんが、どのように写真集を作るかを垣間見ることができる。東京印書館のプリンティングディレクター高柳さんも出てきた。この間見た小林紀晴監督の「トオイと正人」も面白かったが、他の写真家のドキュメンタリーも見たくなる。というか撮りたくなる(笑)。短いのを1本撮ってみようかな。2B Channnelで出せるし。でも来年5月の冬青の写真展の準備というか撮影もあるし。こっちはかなり切羽詰まってきた。

<2014年12月26日の日記から>

白菜と豚バラだけのお鍋。グルタミン酸とイノシン酸のベストな組み合わせなんだそうだ。

あっという間に年末。土曜日にワークショップの特別講習をやって、日曜日は事務所と暗室の大掃除。ワークショップの特別講習というのは、参加した人にテーマなど決めずに自由に江古田の町を1時間半ほどデジタルカメラで撮ってもらって、30枚くらいお店プリントしてもらう。それを大テーブルに広げて皆で見ていくというものだ。何が面白いかというと、機械を通しているにもかかわらず、その人の趣味嗜好が明らかに出ることだ。丸いものが好きだったり、雑然としたものばかり撮ったり、水平垂直がすべての写真できちんととれていたり。まさに性格が如実に現れる。それを僕が整理していくと、よりその傾向がはっきり見えてくる。ワークショップに参加している者同士、相手のことが理解できて親密性が深まる効果もある。参加した人には講座の中で一番面白かったと言う人も多い。これを経験すると、写真とは写っている対象物の面白さを競うばかりでなく、撮った人がどのように対象物にアプローチしようとしているのかを見る楽しみがあると気がつける。そして撮る方としては自分が何に興味があって、どこで足を止めて、どの距離で物を見るかというこを意識できるようになる。それによって写真の見方や捉え方が変わるきっかけになればいいと思っている。48期もそろそろ終わりに近づいた。次期ワークショップ49期の募集をそろそろ始めないと。